虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
第一回コラボイベント後篇 その10
「……いや、嵌まり過ぎたな」
うん、久しぶりにカードゲームに没頭していたよ。
誰かが『超越者』のカードを持っているという情報も、かなり気になっている。
──が、忘れてはいけない。
今回のコラボイベントは、豪華五タイトルとの同時コラボであることを……時間は有限なので、一つに固執できないのだ。
すでにのめり込んでいる間に、必要な分のポイントは交換済み。
当初の目的であった、別コラボ『のんびり異世界の村』用のアイテムも確保した。
ちなみにその中身は、『カードバトラー』でも人気のあるキャラのポスターやフィギュアなど……やはりというかなんというか、美少女系が多いことは言うまでもない。
「まあ、イケメンキャラもばっちり取り揃えられているけども……うん、そっちは純粋に俺の趣味じゃないからな」
何が悲しくて、男のポスターを趣味全開の部屋に飾らねばならんのだ。
それなら、『アイドル・ラブ・ユー』のポスターを貼っておく。
「『超越者』の情報に関しては……いや、本当にどうしようか。まあ、他の世界の実力者も含めて、調べておきたいところではあるんだけどな」
冒険世界の『超越者』、魔法世界の『八代星魔』、そして他世界の強者たち。
彼らを知る術として、『カードバトラー』は格好の場所となっている。
そのため、情報を求める者たちは主にここでバトルとパック開けを繰り返しているな。
強者はたぶん交換不可なので、自分で見つけ出すしかないからだろう。
「『SEBAS』、[掲示板]の方でカードの情報は欠かさずに調べておいてくれ。だいぶ法則も掴めてきた、ヒントがあればそこから能力も導き出せそうだし、頼むぞ」
《畏まりました》
「これで全部のコラボアイテムを集めることができたな……さて、あとはそれらを組み合わせて飾り付けるだけだな」
それが可能な仕様なのだ、何かしらの意図があると踏んでいる。
イセ村で行われるハウジングコンテスト、そこに全コラボのアイテムを使う予定だ。
他のコラボも、それぞれ締め辺りで盛大に何かするらしいが……コンテストのように事前の準備が不要なのか、情報の開示は未だに行われていない。
「さすがに、全コラボの合体なんてことは無いだろうけども……そうじゃない分、選択をさせられるのかもしれないな」
どのコラボの最終イベントに参加するか、休人たちの中で数が分散してしまうかも。
まあ、MVPでも無い限りは大丈夫なはずだ……うん、フラグにしかならないな。
──そして、再び俺はイセ村コラボの世界へ向かうのだった。
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