虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
探索イベント その12
メインエリアの初級、不思議な家の攻略を終えた。
そのまま待機用のエリアへ……かと思いきや、メインエリアはそうでは無いらしい。
『──鍵は始まりに過ぎない。進む先には、私たちを襲った謎が待ち受ける』
『それでも進むというのか……ならば、私に止める権利はあるまい』
『更なる謎が、これから先で待つだろう。しかし、私たちが見つけた遺物もあるはずだ』
『そして、私同様に開くことの無い扉の前で待つ者も』
『願わくば、彼らを解放してやってほしい。そして、辿り着くことのできなかった真実を見てほしい……私たちの行いに、意味があったことを示すためにも』
といったモノローグが届く。
メインの方は、ストーリー付きなのか。
まあ、不思議な○○と連続性のあるエリア名だったので、当然と言えば当然だろう。
入ったときは無かったのだが……クリア特典、みたいなものなのかもしれない。
《旦那様、エリア開放の通知が入りました》
「おっと、やっぱりか。で、メインエリア以外で行けるようになったのは?」
《中級のメインエリア、サブエリア。そして一部の初級サブエリアが開放されました》
「そっちもか……けど、内容的にどういうものなんだ?」
さすがにそこまでは分かっていないようなので、エクリに連絡。
俺たちの代わりに初級の扉にアクセスし、その内容を調べて来てもらう。
──で、その内容が。
「最短制限、スキル制限、道具制限……なるほど、縛り系のエリアなのか」
《いかがなさいますか?》
「まあ、一つはやってみようか。そうだな、ちょうどいいし最短でタイムアタックなら同じことをやればいいだけか。手順は変わっているだろうが、ドローンがある以上そこら辺は変わらないだろうし」
というわけで、偽装をしっかりとしてから初級の扉へ。
無事、『攻速の間:初級』へ向かうことができたのだが……一つ気になることが。
「──監視が増えていた?」
《外部のエクリによると、旦那様が訪れるタイミングで増えたとのこと。また、旦那様が消えた後に何やら扉の前で確認を行う者が現れたようです》
「……ジンリが何かに気づいたか」
俺を狙う元同じネトゲ組織のメンバーだったジンリ。
それを逃れるべく、あの手この手で避けていたが……ついに気づかれたか。
「それならそれで、こっちも対策をもっと厳重にしておくべきだな。やってくる手段の数だけ、俺たちの対策の幅も増やせられるわけだし……よし、それじゃあエクリに連絡してくれ──能力も開放だってな」
《畏まりました》
まあ、俺が諦めればいいだけだが……家族のことを最優先でやるためにも、そこだけは貫いてみせる!
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