虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
古代箱庭防衛策 その07
わけあって、連続更新となります(六時間ごと)
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──『孤軍破狼[シャロウ](再)』。
これは『SEBAS』の研究によって、人工的に復活したユニークモンスターの残滓。
かつての個体と同スペック、同程度の能力行使を可能とした再生怪人のようなもの。
……まったく同じスペックなので、再生怪人の上位互換みたいなものだが。
しいて言うなら『再誕種』、とたとえるのが妥当だろう。
「討伐後もドロップは無し、当然特典も出てこない。製作の方にちょいと時間が掛かるみたいだが……まあ、お手並み拝見という展開にはちょうどいいよな」
四人中三人がチート級に強いとはいえ、それだけの少数精鋭で倒せたユニーク種。
今回、湖の周辺に居る百人以上の休人たちで、それを倒せるかどうかを俺は知りたい。
「どちらかが圧勝するなら、方針を変えないといけないからな。辛勝、ぐらいで済んでくれればいいけど」
最初に[シャロウ]を見つけた休人は、すでに死に戻りとなっている。
今頃冒険世界側の入り口で、イベント限定のユニーク種が出たと騒いでいるだろう。
実力をその身で感じて、ネームドで収まる存在ではないと知ったはず。
なんせ『SEBAS』が生み出し、行動の指示までしている個体だからな。
《本来、ネームド種やユニーク種への使役などは通用しません。ですが、旦那様のように星における最上位権限を保有していれば、ある程度は手なずけることが可能です。無論、自害などは不可能でありますが》
「それやっても、たぶん特典の選考に入らないだろうからいいよ。それよりも、今は彼らの頑張りを見ておこうじゃないか」
《畏まりました》
最初の被害者が居た森を抜け、ゆっくりと顔を出す[シャロウ]。
すでにその存在へ気づいていた休人たち、彼らはその瞬間を狙って一斉攻撃を行う。
「うぉっ、眩し……くないな」
《光量を調整いたしました》
「うむ、さすがは『SEBAS』だな……さて、まあ予想通りだな」
魔法や遠距離武技で攻撃したようだが、それらはすべて[シャロウ]の構築した狼の盾によって防がれる。
そして、今度は盾にしていた狼を本来の使い方──つまり攻撃に用いる。
次々と休人へ向かっていく狼は、強者と弱者を選別するように雑魚狩りを進めていく。
耐久度の低い装備、能力値の低いステータスでは捌き切れない量の狼たち。
だが逆に言えば、それらを揃えていればある程度防ぐことができる量でもある。
それゆえに、強者ばかりがこの場には残されていた。
周囲を庇う余裕のある真の強者は、拠点に大して残っていないようで。
「ああ……こりゃあダメだな。そもそも、どうやって俺たちは対処したんだっけ?」
《坊ちゃんは己の技量で。お嬢様は従魔である聖獣の力で。奥方様は……不思議なことですが、狼自体が奥方様を避けておりました》
「…………ああうん、仕方ないな」
《なお。その分だけ、旦那様に襲い掛かる狼の量が増えていたようです》
そうだったっけ……全然覚えていないが、『SEBAS』がそう言うのであれば、そうだったのかもしれない。
まあ、それを気にしていてもしょうがないだろう……すぐに第二段階に移行する。
そう思ったのとちょうど同タイミング、狼たちに新たな変化が起き始めた。
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──『孤軍破狼[シャロウ](再)』。
これは『SEBAS』の研究によって、人工的に復活したユニークモンスターの残滓。
かつての個体と同スペック、同程度の能力行使を可能とした再生怪人のようなもの。
……まったく同じスペックなので、再生怪人の上位互換みたいなものだが。
しいて言うなら『再誕種』、とたとえるのが妥当だろう。
「討伐後もドロップは無し、当然特典も出てこない。製作の方にちょいと時間が掛かるみたいだが……まあ、お手並み拝見という展開にはちょうどいいよな」
四人中三人がチート級に強いとはいえ、それだけの少数精鋭で倒せたユニーク種。
今回、湖の周辺に居る百人以上の休人たちで、それを倒せるかどうかを俺は知りたい。
「どちらかが圧勝するなら、方針を変えないといけないからな。辛勝、ぐらいで済んでくれればいいけど」
最初に[シャロウ]を見つけた休人は、すでに死に戻りとなっている。
今頃冒険世界側の入り口で、イベント限定のユニーク種が出たと騒いでいるだろう。
実力をその身で感じて、ネームドで収まる存在ではないと知ったはず。
なんせ『SEBAS』が生み出し、行動の指示までしている個体だからな。
《本来、ネームド種やユニーク種への使役などは通用しません。ですが、旦那様のように星における最上位権限を保有していれば、ある程度は手なずけることが可能です。無論、自害などは不可能でありますが》
「それやっても、たぶん特典の選考に入らないだろうからいいよ。それよりも、今は彼らの頑張りを見ておこうじゃないか」
《畏まりました》
最初の被害者が居た森を抜け、ゆっくりと顔を出す[シャロウ]。
すでにその存在へ気づいていた休人たち、彼らはその瞬間を狙って一斉攻撃を行う。
「うぉっ、眩し……くないな」
《光量を調整いたしました》
「うむ、さすがは『SEBAS』だな……さて、まあ予想通りだな」
魔法や遠距離武技で攻撃したようだが、それらはすべて[シャロウ]の構築した狼の盾によって防がれる。
そして、今度は盾にしていた狼を本来の使い方──つまり攻撃に用いる。
次々と休人へ向かっていく狼は、強者と弱者を選別するように雑魚狩りを進めていく。
耐久度の低い装備、能力値の低いステータスでは捌き切れない量の狼たち。
だが逆に言えば、それらを揃えていればある程度防ぐことができる量でもある。
それゆえに、強者ばかりがこの場には残されていた。
周囲を庇う余裕のある真の強者は、拠点に大して残っていないようで。
「ああ……こりゃあダメだな。そもそも、どうやって俺たちは対処したんだっけ?」
《坊ちゃんは己の技量で。お嬢様は従魔である聖獣の力で。奥方様は……不思議なことですが、狼自体が奥方様を避けておりました》
「…………ああうん、仕方ないな」
《なお。その分だけ、旦那様に襲い掛かる狼の量が増えていたようです》
そうだったっけ……全然覚えていないが、『SEBAS』がそう言うのであれば、そうだったのかもしれない。
まあ、それを気にしていてもしょうがないだろう……すぐに第二段階に移行する。
そう思ったのとちょうど同タイミング、狼たちに新たな変化が起き始めた。
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