虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―
神様談(21)
子供が仰々しいポーズを取りながら、これまた尊大な台詞を述べる。
「やぁやぁ、我こそは──!」
「……何をされているのですか?」
「いやー、なんというか、ツクル君もいろいろ頑張ってくれているみたいだからね、僕も心機一転! みたいな感じでニュースタイルでも目指してみようかなって」
「不要です」
神々の領域は今日も賑やか。
創造神である■■■に、部下である◆◆◆◆がツッコミを入れる。
他の神々によって許可が与えられ、必要であれば反逆すらも許された◆◆◆◆。
とはいえ、当の本人ならぬ本神にはその気がないため、ツッコミ専用の権能だ。
「アレからずいぶんと経ったねぇ……何も持たない彼は、今や現人神候補者として、無自覚のままに神威を広めてくれている。今やプログレスちゃんも、立派に下級神になれたみたいだしね」
「…………」
「あれあれ、嫉妬かな? ダメだよ、◆◆◆◆~。いわばあの子はツクル君の娘さん、仲良くしないと──痛ッ! ぶったね、オヤジにもぶたれたことないのに!」
「……お望みとあらば、もう一度ぶちましょうか?」
神器『ツッコミハリセン(防御無視)』を握り締め、笑みを浮かべる◆◆◆◆。
しかし笑っていない目を見た■■■は、ピタリとボケを止める。
「……真面目な話、今のツクル君にはそろそろ試練が訪れるだろうね。僕たち神々による神練じゃない、人が人であるがゆえに、神々ですら行わない試練を」
「それは……大丈夫なのでしょうか?」
「ツクル君は尋常じゃなく死ぬだろうし、その理不尽に試練を与えた側も気が滅入るのは確定だと思うけどね。問題は、ちょっかいを出されることだね。もう無理、さすがに庇い切れないから」
アハハと笑う■■■だが、内心それなりに焦っていた。
創造神としての力は、全盛期に比べればまだ遠く及ばない。
それゆえに、協同できる神と連携を図っていたが──間に合わなかった。
「まあ、ツクル君が勝ってくれればくれるほど、その分だけ僕もサポートしやすくなるからね。でも、ツクル君にバトル展開は似合わないからな~……どうにかしようかな?」
「どうにかって……可能なのですか?」
「無理だよね、少なくとも今は。けど、もしそれができるようになったら…………君の出番になるかもね」
「っ……! 分かりました」
ツクルがいずれ相対するのは、彼が最強だと認識する『騎士王』や【冒険勇者】といった存在と同格の存在。
それは彼の知らない世界から、そして彼のよく知る世界から向けられた刺客。
陣営は決して一つではない、縁が結ばれれば結ばれるほど増えていくものだ。
いずれそうなる未来が訪れる、そう■■■は考えている。
だからこそ、◆◆◆◆は思う……どうか無茶だけはしないでほしいと。
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