虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―
上位権限 中篇
上位権限の保持者というのは、各世界においてもごく僅かなんだとか。
諸国の王族でも有しておらず、神々の中でも限られているらしい。
「神族は全員が持っているんじゃないか?」
《いいえ。あくまでも、上位権限の保持者が一人居て、一部制限が課せられた同権限を貸し与えているのです》
「それが各神話における最高神……とか、そういう流れみたいだな。あと、さっきの話によると『騎士王』も持っているのか」
《その通りかと。なお、上位権限にも階級があって、『騎士王』と星剣の担い手は同列の権限保持者となっております》
冒険世界における、最上位の権限を彼らは持っているんだとか。
そして、俺はアイスプルにおいて……それ以上の権限を持っているそうだ。
「……最上位よりも上なんだな」
《権限が『限られた権利』の意を持ち、最上位でもなお不可能なことがあれば……旦那様の権限は紛れもなくあらゆることが許容された代物です。支配者の権利、星規模の支配者として旦那様は登録されております》
「よく分からないが、要するに何でもできるから格上ってことはよく分かった。まあ、最上位の権限の保持者だからって、星を自由にできたら困るんだな」
《星の住人である以上、星が許容できないことはできません。最低限、時間を掛ければ修復できる範囲に留まります》
その言い方だと、まるで俺と同列の権限ならそれ以上のことができるみたいだな。
魔法でも異常なことができるのに……いったい、どこまでできるのやら。
「なるほどな……そうだ、話を変えるけど。アイスプルにその権限による進入禁止を設定するなら、いったいどうやればいいんだ?」
《指示していただければすぐにでも。星核にアクセスを行うことで、領域の設定を行うことができます》
「なるほど……でもそれって、俺みたいに星核に干渉できないとダメってことか? なら他の世界にも、【救星者】みたいな存在が確認されている?」
《いいえ。現状に置いて、旦那様と同列の権限保持者は確認されておりません。また、職業名も現状においては不明です》
種族レベル999で解放された情報も、そこまで万能では無いということか。
情報開示の要求ってのは、それもまた理由の一つだったわけだな。
「不明ってことは、確認されていないだけで居るかもしれないのか……居たとなれば、それは『騎士王』よりも上の権限を持っているわけだ。うん、文字通り世界中を探してみれば、見つかるかもしれないな」
上位権限については、もう少し調べることがあるな……うん、とりあえず訊ける範囲で確かめておこう。
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