虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
強者の宴 その16
連続更新です(04/08)
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星剣。
本来意味するのは、星脈から溢れ出た星の力を内包した剣のことだ。
広義の意味で言えば、俺がショウに渡した『星鉱剣[フライハット]』もその一種。
しかし、目の前で力を解放するその剣は、それらとは別格の存在感を放つ。
「正真正銘、冒険世界が認めた【冒険勇者】に与えられる星具だ。アレこそが、間違いなくこの世界最強の武器なのだろう」
「アレが……」
舞台の上で戦う【魔王】と【勇者】。
強者の模倣で無双していた【魔王】に対して、切り札を使うこの世界の【勇者】。
たしかにその存在感は尋常ではなく、結界が無ければ観ていただけで死んでいた。
……それはそれでサンプルが欲しかったのだが、今回は自重しておく。
「代々『騎士王』が振るう聖剣、『生者』が創り上げた星鑓も指折りの逸品だ。しかし、この世界で用いるという条件であれば、ありとあらゆる理を超えて、アレこそが最強の一振りとなるのだ」
「……それは、どういった理屈で?」
「子供の我が儘のような物だ。自分の領域において、自分が一番強い。どれだけ強くても関係ない、自分の中では自分が一番だ……そういったありえないはずの理を、世界が他に強要しているだけのこと」
「なるほど、それは……もう、どうしようもありませんね」
星剣を解放した【勇者】は、ただ剣を薙ぐだけだ。
しかしその瞬間、いつの間にか【魔王】はその剣の前に立ち斬撃を防いでいる。
「剣を振るのならばそれは当たる。斬撃を届かせるのではなく、当たることを強要する。それがあの剣の第一段階」
「……理不尽過ぎではありませんか?」
「その分、解放には必ず条件を満たしておく必要がある。今回の場合、一定時間以上の戦闘継続の条件を満たしたのだろう」
「お詳しいですね」
どうやら代々の『騎士王』が、そういう部分も調べていたらしい。
ついでに言うと、過去何度か【勇者】とやり合った記録もあるそうで。
「……模擬戦だけでなく、狂った【勇者】の討伐命令などもあるからな。その場合、剣自体をどうこうすることは不可能と伝えられているぞ」
「そうみたいですね」
「その点、【魔王】の剣はよく持つものだ。元より威力の高い剣、そこに【勇者】が持つ対【魔王】の補正もある分、かなりのダメージになると思うのだが……」
「その絡繰りも、もう間もなく開示せざるを得なくなりますかね。ええ、私も大変興味深く思いましたよ」
おそらく直撃すれば、【魔王】とて無事ではいられないだろう。
それでも【魔王】には勝算がある、そう分かる不敵な笑みを浮かべていた。
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星剣。
本来意味するのは、星脈から溢れ出た星の力を内包した剣のことだ。
広義の意味で言えば、俺がショウに渡した『星鉱剣[フライハット]』もその一種。
しかし、目の前で力を解放するその剣は、それらとは別格の存在感を放つ。
「正真正銘、冒険世界が認めた【冒険勇者】に与えられる星具だ。アレこそが、間違いなくこの世界最強の武器なのだろう」
「アレが……」
舞台の上で戦う【魔王】と【勇者】。
強者の模倣で無双していた【魔王】に対して、切り札を使うこの世界の【勇者】。
たしかにその存在感は尋常ではなく、結界が無ければ観ていただけで死んでいた。
……それはそれでサンプルが欲しかったのだが、今回は自重しておく。
「代々『騎士王』が振るう聖剣、『生者』が創り上げた星鑓も指折りの逸品だ。しかし、この世界で用いるという条件であれば、ありとあらゆる理を超えて、アレこそが最強の一振りとなるのだ」
「……それは、どういった理屈で?」
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「なるほど、それは……もう、どうしようもありませんね」
星剣を解放した【勇者】は、ただ剣を薙ぐだけだ。
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「剣を振るのならばそれは当たる。斬撃を届かせるのではなく、当たることを強要する。それがあの剣の第一段階」
「……理不尽過ぎではありませんか?」
「その分、解放には必ず条件を満たしておく必要がある。今回の場合、一定時間以上の戦闘継続の条件を満たしたのだろう」
「お詳しいですね」
どうやら代々の『騎士王』が、そういう部分も調べていたらしい。
ついでに言うと、過去何度か【勇者】とやり合った記録もあるそうで。
「……模擬戦だけでなく、狂った【勇者】の討伐命令などもあるからな。その場合、剣自体をどうこうすることは不可能と伝えられているぞ」
「そうみたいですね」
「その点、【魔王】の剣はよく持つものだ。元より威力の高い剣、そこに【勇者】が持つ対【魔王】の補正もある分、かなりのダメージになると思うのだが……」
「その絡繰りも、もう間もなく開示せざるを得なくなりますかね。ええ、私も大変興味深く思いましたよ」
おそらく直撃すれば、【魔王】とて無事ではいられないだろう。
それでも【魔王】には勝算がある、そう分かる不敵な笑みを浮かべていた。
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