虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
聖獣祭後篇 その02
東側の三つの区画、そして西側の上二つの区画にて森獣から許可を貰っていた。
残り四つの許可を貰うことで、晴れて俺は聖獣との正式な謁見が可能となる。
「──というわけで、どんどん行くぞ。どういう条件かは獣人三人組から聞いてあるし、『SEBAS』の協力があればすぐできる」
《お任せください》
「まずはこの北区、氷穴の探索をしよう。時間が掛かるからパスしていたが、ある意味攻略すれば確定で許可が貰えるんだから充分にやりやすいだろう」
訪れたそこは、奥から冷たい空気が流れ込む広い洞窟。
祭りの参加者はそこを探検して、ドキドキワクワクの冒険を体験できる。
こちらもお馴染みになりつつある御業により、安全性は確保済み。
子供でも楽しめるので、ちゃんと覚悟を決めさえすれば誰でも楽しめる。
「……寒いんだよな、ここ」
寒さへの強さに種族ごと差がある獣人たちには、あまり人気の無い場所だ。
保温も安全性に含まれているのだが、やはり見ているだけでも寒いからな……。
「何より、加護が欲しいならそれ無しで行かないとダメみたいだし。その場合、容赦なく寒さ関係の攻撃をされるんだよな」
とはいえ、俺には『侵雪』の中で活動した経験もあるので、さして気にしていない。
いちおう寒冷に対する耐性を持った装備も着込み、準備を整えた。
「『SEBAS』、頼んだぞ」
《畏まりました。マッピングはお任せを》
「今回はアイテムだけだからな……うん、最適なモノをその都度教えてくれ」
常時ONが必須な『生者』はともかく、能動的に使う能力は基本的にOFF。
代わりにあまり使っていなかった、無数のアイテム関係の能力を多用していくことに。
その気になれば即席でアイテムを生成できるし、それで無双することも可能だ。
問題は普通に戦うよりも、こちらの方が制御が難しいのである。
「だからこそ、今回は『SEBAS』が必要なんだよな。何度もトライするなら別だが、一度切りってなるとやっぱり」
何度も挑むことはできるのだが、どうせなら一発で成功したいものだろう。
あと、単純に繰り返すのが面倒だし……本当に困ったら、完全に委ねるつもりだ。
「ちなみに『SEBAS』、アイテムだけでここを攻略できると思うか?」
《問題ありません。むしろ、他の縛りよりも成功率は高いかと》
「そういうものか……『プログレス』ばかり使っているから、勘が鈍ってきたかな?」
やはり、一度心を改めなければな。
そんなことを思いつつ、俺は氷穴の中へと進んでいった。
残り四つの許可を貰うことで、晴れて俺は聖獣との正式な謁見が可能となる。
「──というわけで、どんどん行くぞ。どういう条件かは獣人三人組から聞いてあるし、『SEBAS』の協力があればすぐできる」
《お任せください》
「まずはこの北区、氷穴の探索をしよう。時間が掛かるからパスしていたが、ある意味攻略すれば確定で許可が貰えるんだから充分にやりやすいだろう」
訪れたそこは、奥から冷たい空気が流れ込む広い洞窟。
祭りの参加者はそこを探検して、ドキドキワクワクの冒険を体験できる。
こちらもお馴染みになりつつある御業により、安全性は確保済み。
子供でも楽しめるので、ちゃんと覚悟を決めさえすれば誰でも楽しめる。
「……寒いんだよな、ここ」
寒さへの強さに種族ごと差がある獣人たちには、あまり人気の無い場所だ。
保温も安全性に含まれているのだが、やはり見ているだけでも寒いからな……。
「何より、加護が欲しいならそれ無しで行かないとダメみたいだし。その場合、容赦なく寒さ関係の攻撃をされるんだよな」
とはいえ、俺には『侵雪』の中で活動した経験もあるので、さして気にしていない。
いちおう寒冷に対する耐性を持った装備も着込み、準備を整えた。
「『SEBAS』、頼んだぞ」
《畏まりました。マッピングはお任せを》
「今回はアイテムだけだからな……うん、最適なモノをその都度教えてくれ」
常時ONが必須な『生者』はともかく、能動的に使う能力は基本的にOFF。
代わりにあまり使っていなかった、無数のアイテム関係の能力を多用していくことに。
その気になれば即席でアイテムを生成できるし、それで無双することも可能だ。
問題は普通に戦うよりも、こちらの方が制御が難しいのである。
「だからこそ、今回は『SEBAS』が必要なんだよな。何度もトライするなら別だが、一度切りってなるとやっぱり」
何度も挑むことはできるのだが、どうせなら一発で成功したいものだろう。
あと、単純に繰り返すのが面倒だし……本当に困ったら、完全に委ねるつもりだ。
「ちなみに『SEBAS』、アイテムだけでここを攻略できると思うか?」
《問題ありません。むしろ、他の縛りよりも成功率は高いかと》
「そういうものか……『プログレス』ばかり使っているから、勘が鈍ってきたかな?」
やはり、一度心を改めなければな。
そんなことを思いつつ、俺は氷穴の中へと進んでいった。
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