虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―
聖獣祭前篇 その14
加護を授かり、流獅の区画に居る必要が無くなった俺は次の場所へ向かう。
なんと便利に、ここから下の区画へは川下りをするだけで向かえるそうだ。
これも一種のアトラクションで、予め用意された水のボートに乗るというもの。
同じく用意された水のオールを使い、漕いで川を下っていく。
「よっと、ほっと……水だから軽いし、補正かなんだか知らないけど漕ぎやすい。これなら子供でも簡単だろうな……それにも劣る俺は、人権があるのかも微妙な気がする」
最低限の動きを結界に補助させながら行うことで、どうにか漕いではいるけども。
一定時間に、加護を貰った者しか使えないため、誰にも邪魔されずゆっくり乗れた。
「上流なのに激流じゃないのは、子供用にしてもらっているからかな? でも、適度に揺れがあるのはアトラクションって感じがして楽しいかもな」
《実際には、漕がずとも目的地に辿り着くよう設定されているようですね》
「なら、別にいいか。よっと……ふー、寝ながら着くってのも気が楽でいい」
どうせ本来、漕げなかったんだから別にやらずともいいだろう。
まあ、流れているだけなんだから、普通は着いて当然だな。
そういえば事前説明で、中流区画に着いたらすぐに接岸すると言ってたっけ?
しかも到着して乗客が全員降りると、勝手に元の場所に戻るサービス付き。
まあ、なんとも便利なこった。
到着まで時間もかかるし……寝たくもなるが、やるべきことがあるか。
「『SEBAS』、プログレスの恩恵を使う方法を知りたい。教えてくれないか?」
《そちらの方法でよろしいですか?》
「うん、まずはこっちからだ。信仰形の職業とかも、使ったことになりそうだし」
急に話が逸れるが、【僧侶】や【聖職者】といった職業には祈りの能力が存在する。
より上位の職業に就くためには、信仰をより深めなければならない。
ただ、信仰深いということではなく、システム的にどれだけ祈ったかということ。
つまりはスキルレベル、そして祝福の保持などで決まっているわけだな。
「プログレスは神様だし、いつも世話になっている神様にも祈っている……俺って意外と信仰深い男なんだよな」
今はルリにも祈りを捧げられるだろうし、やっておいて損は無い。
というわけで、『プログレス』も恩恵の方で再現してみるのだ。
「まあ、難易度は少し高いんだろうけど、それでも『SEBAS』がやっている方よりは楽だと思うし。とりあえずでいい、頼む」
《畏まりました》
いろいろと制限もあるからな……うん、それも踏まえて使わないと。
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