虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―

山田 武

大量発生後日談 その02



 とはいえ、リポップスポットだけで尽きるほどポイントが足りていないわけじゃない。
 自分で創った『WITHシステム』は要らないし、それ以外の物を選ぶことに。

「討伐数ランキング10位。少し抜かされたけど、ギリギリ入ってたな……目的のモノは得られたから別にいいけど」

 それ以降の順位だと、十位ごとに同じだけのポイントが与えられる。
 ただ、十位以内だと称号も貰えるのだ……いやまあ、記念に欲しかったんだよ。

 他には加工アイテムの品評会などでも入賞し、結構なポイントを稼いでいる。
 だからこそ、ポイントが余っていた……リポップスポットは一人一つの限定品だった。

「しかしまあ、あんまりいいアイテムが見つからないな……交換システムで全部の調味料は確保して複製済みだから、無限調味料とかは要らないし。さっきも言ったけど、運営謹製アイテムは微妙だな」

 報酬選択画面を流し読みするが、そこまで欲しい物は見つからない。
 しいて挙げるなら魔物由来の素材だが、本当に欲しいなら狩りに行けばいいからな。

「こう、普通に得ることは難しいけど、使い道があるアイテムがいいんだけどな」

《では、こちらのアイテムなどいかがでしょうか? 本来はポイントの余った休人用の物でしょうが、今の旦那様であれば選ぶという択もございます》

「……『賽祈箱:第一回大量発生』? えっと、ポイントを入れたうえで開けるのか」

《注いだポイントによって、排出されるアイテムの最低ランクが向上します。そして、最高額まで注ぐことで、それ以下のポイントでは決して出ないアイテムも出現するようになります》

 ずいぶんとまあ、ガチャ欲をそそるな。
 これを用意した運営のヤツ、結構腹黒いよマジで……こんなの見つけたら、間違いなく交換するって分かっているだろうに。

 ちなみにこれ、一定回数交換をキャンセルしないと出てこないそうだ。
 俺も『SEBAS』に言われてやらなかったら、気づかなかっただろう。

「けどこれ、当選確率が結構低い気がするんだが……どうなんだ?」

《はい。最上級のアイテムであれば高確率でドロップしますが、それ以上……今回求めるレアリティが設定されていないレベルで希少なアイテムは、ほぼ当選しません》

「となると、方法は二つか……一つはルリに頼む。けど、これは無しだな。となると、もう一つの方法をやるしかないか」

 だが、俺のLUC値が0である以上、レアなアイテムが出る確率は皆無。
 確定したドロップ方法が無いのだ……多少の形振りなんて構っていられないよな。


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