虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―
大量発生後日談 その01
イベントが終わって、報酬を選ぶという段階に至った。
持っていた調味料、そして討伐数ランキングなどに入ったことで得たポイントを使う。
「まあ、とりあえず『調味粘体』のリポップスポットは必須だな。個人所有のフィールドか迷宮が居るみたいだが、どっちもあるから問題ないな」
いつもイベントの報酬は、解析しても意味がない運営謹製のアイテムではなく、このように実益のある物ばかりだ。
休人用のアイテムとしては、一定時間レベルが上がりやすくなる液体だったり、どんなアイテムでも必ず耐久度を初期状態に戻せる代物だったりと、いろいろあるけどな。
「──そして、この『プログレス』関係のアイテム。創造神様に届けてもらったが、本当に採用されたんだな」
《拡張プログラム。『プログレス』の新たな可能性を生み出す品ですが……本当によろしかったのでしょうか?》
「まあ、使用には責任が伴うってちゃんと書いておいてもらったし、大丈夫だろう。ただ俺は、世の需要に応えただけだ」
多くの『プログレス』使い(休人)たちが求めるもの、それは──人化だ。
たとえどれだけスペックが落ちてもいい、だが美少女としてのスペックが欲しいと。
そんな需要に応えて生みだしたのが、その拡張プログラムだ。
老若男女、どんな性癖でも満たせる存在が『プログレス』の擬人化として現れる。
……ただまあ、それがその持ち主の欲求を満たせるかどうかはまた謎だが。
あくまでも擬人化するだけ、そして何らかの形で性癖を満たしているだけだ。
「それ、他のプログラムも用意してあるし、擬人化にも擬人化でメリットはある。適性が無い奴は、別のプログラムと交換できるようにしてもらったんだ……むしろ感謝してもらいたいな」
人の姿だけでなく、何らかの形で現界できるようにしておいた。
ケモナーなら動物を、何かのマニアならそれに関する具現化を望むかもしれないな。
……ネタなものとしては、固有の空間を展開できるプログラムもあるな。
こう、剣が生えた丘とか呪いに満ち溢れた領域を広げる……なんてのをやって欲しい。
「それに、成長すればいずれ『プログレス』は何らかの形で顕れていたはずだ。今回のプログラムは、そこに付加されるだけ……その在り方で、また別の成長を遂げてくれる。ある意味、実験の進行を補助できるだろう」
《──『WITHシステム』。旦那様の求める結果に至るために、これが役立つことを期待しましょう》
そうして、また新たなシステムが世界に広まる……なお、こっそり原人たちにのみ、希望すれば無償でアップデートするという通知も届けてあるぞ(ただし期間限定)。
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