虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
古代会談 その10
あの後も纏め上げた話を伝え、会談は終了となった。
お土産にポーションを渡し、サプライズで一体ずつドローンをプレゼントする。
それぞれが個人でカスタマイズするため、少々時間は掛かったが……この世界がよりよくなるためなので、多少は割り切った。
何をしたかと言えば、区画ごとに使える星核への干渉権を渡したのだ。
溜め方を限定し、地脈から吸い上げた力を自然環境を整えるために使えるように。
ただし、審査を『SEBAS』が行うため悪用することはほぼ不可能。
やるならば、野良の魔物を飼育するための設備を整えるのと、天候操作ぐらいだろう。
あとは……まあ、『SEBAS』が提案した防御術式の展開だ。
休人でもそう簡単には破れない、そのコンセプトで用意した結界が張れるぞ。
閑話休題
そんなこんなで、全員が帰ったところでこの会場の片づけを行う。
ボタン一つですべての機能が停止し、本来の火山に戻っていく。
灼熱のマグマが俺を襲う……が、そこは即座に結界を構築して防ぐ。
掌には先ほどまで使用していた魔道具が、キューブ上になって浮かんでいる。
「『SEBAS』、これでよかったか?」
《はい。彼らは旦那様を世界の主とし、また休人を警戒する対象と認識しました。いずれこの認識が、必要となる時が訪れます》
「……まあ、ある意味マッチポンプみたいな気もするけど。解き放つのも、結局は俺のせいなんだし」
《結界を確認している休人が現れた以上、いずれ解放せねばなりません。今は条件があるということで偽装し、誤魔化しています。ですがいずれ、彼らにとって有利な条件を設けて入場させます》
ちなみに、装備を解除することらしい。
内部で得た装備のみを可能……としておけば、古代人たちの初期イメージに合った縛りらしく思えるだろう。
実際の古代人はかなり文明も向上し、地球で言うところの中世レベルまで上がっているのだが……もともと適応が早く、魔力の概念があるので進歩しやすかったからだけど。
「これからどうしようか……一度来た場所に行こうと思ったけど、ここだけでこんなにやらかしているんだよな。となると、あそこも相当に……」
《旦那様、ぜひ向かったほしい場所があるのですが……》
「『SEBAS』が言うなら、それが必要なことなんだろう? いいよ、行こうか」
《ありがとうございます》
今回の経験を経て、魔物たちのデータを大量に集められた。
特に『開核』、あれはサンプルが少なかったのでちょうどいい。
──そういう参考になる情報もあるのだ、俺も覚悟して向かうことにしよう。
「SF」の人気作品
書籍化作品
-
-
76
-
-
140
-
-
70811
-
-
89
-
-
111
-
-
444
-
-
381
-
-
63
-
-
93
コメント