虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
成長する古代人
箱庭 古代世界
俺が『W4』に存在する、滝の裏で見つけた不思議な空間。
冒険世界とは異なる時代風景が映る、恐竜などが生息している世界。
そこにはなぜか普人族が存在しており、その世界からの脱出を図ろうとしていた。
俺もそれに協力したのだが……残念ながらそれはできず、そのまま残ることに。
二度目に訪れたとき、今度は大量の魔物たちと戦うことになった。
いろいろとあったのだが……それより何より、だいぶ文明が発達していたのだ。
天然の要塞を改築して鋼の城を築き上げるとか、かなり知性が向上していたんだよな。
そして、三度目……ことわざにもあるように『二度あることは三度ある』らしい。
「久しぶりに見に来たけど……またずいぶんと成長したんだな」
「タビビト、久しぶりだな」
この世界の入り口にして出口である湖で待機していると、一人の男が現れた。
……しかし俺からすると、彼の姿には驚愕する要素しか無い。
「あっ、発音はそのままなんだな」
「いや、旅人と正しく発音もできるぞ。しかし、私たちにとってタビビトであることに変わりはない。嫌ならば変えるが?」
そのままにしてもらった。
なお、どの辺りが変わったかと言えば──まずもう、見た目から全然違う。
体や髪はしっかりと清潔だし、衣服も現代と何ら変わらないものになっている。
そして、何より言語能力がかなり高くなっているみたいだ。
「そういえばお土産ですが……皆さんもどうやら、とても大きく成長したようですので、これまでとは違うものに──」
「ふぉおお! タビビト、肉だ肉!」
「……いえ、何でもありません。それでは、今の居住区へ案内してください」
「おう、分かった!」
そういって案内役は歩を進める。
道もだいぶ整備されており、獣道以上に進みやすく加工されていた。
彼らはこの世界で生き抜くため、本来普人族では得られないはずの木魔法を持つ。
それゆえ、彼らは植物を操ることで道を築き上げていたのだ。
さすがに気になってきたので、こっそりと『SEBAS』に呟いてご相談を。
「『SEBAS』、どう思う?」
《前回同様、旦那様の影響もありますが……今回の場合、その前回の影響が強いのかと》
「前回っていうと……試練、いや神練だったな。それがどうしたんだ?」
《多くの魔物の素材、そして神練への間接的な参加。何より、経験値を得たことによるレベルアップが大きく関わっているのかと》
できることが増えて、その分やりたいことが増えて……こうなったわけだ。
俺の視界に映る、新たな住民たちの住処を観ながらそう感じる俺であった。
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