虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―
騎士の友 前篇
冒険世界の初期地点。
今なお増える休人を受け入れるその町に、世界最強の騎士の王様が訪れていた。
その容姿は端麗で、見る者すべてが視界を奪われる魅力を持つ。
それだけでなく、カリスマ性が放つ風格が近寄りがたい雰囲気を出している。
……というのが、本来の評価だろうか?
魔術を使って結界を構築、外部からの視認ができないようにした状態で、『騎士王』は先の例とはまったく異なる態度を取る。
「むぐむぐ、ふふぁい! ひゃふぁりふふぁいじょしぇいじゃ!」
「はいはい、旨くてよかったな。正直、食べさせる相手が居なくて困っていたんだ……どういう悪影響があるか分からなかったし」
「……いろいろと不信感を抱きたくなるが、美味しいという結論の前にそれらは詮無きこと。多少のことは目を瞑ろう」
ちなみに、肉とは『千変』と『万化』の権能実験で作られたものだ。
命の創造、そして変質を試していく中でできあがった肉を出してみました。
「どうやら諍いを止めてくれたようだな。それに……【勇者】としても、一皮剥けたようだ。『生者』にはあまり意味の無いことだと思うが、それを持つというだけで、【勇者】の中でも優秀だという証明になるぞ」
「俺は別に、【勇者】として大成したいわけじゃないからな。そ・れ・よ・り! いつになったらクエスト達成になるんだよ。急に内容を足して飯の満足まで入れやがって」
「むぅ、最近の『生者』が新作を出してくれないのが悪いのだ……だが、満足した。報酬はそうだな……何がいいか訊いたうえで、可能なものを叶えようではないか」
「マジか……そりゃあいい」
全能にして万能な『超越者』の『騎士王』ならば、大抵のことは叶えてくれる。
もちろん、そんな彼女も特定の情報には弱いのだが……それは願わなければいい。
「なら……よし、決めた」
「ならば願え。何を望む……無限の財か? 無敵の力か? それとも……女か?」
「──お前が関わる面倒事への拒否権」
「…………ん?」
俺は真面目にこの結論へ至った。
これまで『騎士王』関連の出来事の中で、一つとして順調にいったものはない。
今回のことだって、台風の中で洗濯機のように高速回転されなければならなかったし。
たしかにそのお陰で築いた縁もある……のだが、それ以上の精神的ダメージがあった。
「少なくとも、真面目モードの時が面倒だしな。俺はこっちのお前なら友人として接したいとは思うけど、真面目モードの方は対応が面倒臭くなるから嫌だ」
「…………」
「そうだ、それでもいいな。俺と居るときはずっとこっちでいてくれ、もし真面目モードになったら俺の好きなようにしてもいい。そういう願いの仕方にしてやってもいいぞ」
どちらの願いも、意味をなさないもの。
互いの認識の中でしか成立しない、故に普通であればすぐ了承しても構わないはずだ。
しかし、彼女は『騎士王』。
そうあるべきと定められたものがあり、そのために変わっていった者。
だいぶ前に『ガウェイン』さんとも話したことだが……少しぐらい、自由にさせた方がいいんじゃないか?
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