虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―
家族冒険 その18
「ふははっ、圧倒的ではないか我が軍は!」
「「…………」」
「凄いわ、さすがアナタ!」
というわけで十層ごと、いろんなことを試してみることになった。
しばらくショウとマイは休み、代わりに俺とルリが戦闘を行う。
──が、今は誰も戦っていない。
代わりに大量の機械たちが、魔物たちへ容赦ない銃撃を行っているだけだ。
「機械特化の設定にしてあるから、補正も最大限に働いている! たとえ二百五十層以降の魔物だろうと、家族と居る俺に敗北の二文字は存在しない!」
称号は『統天』を始め、機械の行動に補正が入る物をギッシリと。
スキルも【高位整備士】や【高位技師】、それに【操縦士】の職業能力を設定中だ。
うん、【見習い○○】もだいたいはレベル上げを行っていた。
なので、純粋な生産職ではない【操縦士】も、今の俺ならば扱うことができるのだ。
「さぁ進め、我が軍よ!」
ルリの支援魔法は機械には届かないため出番がなく、代わりにロマン溢れる彼らの活躍に目を輝かせている。
ショウも喜んでくれているし、やはり試してみて正解だったと思った。
……マイは少し冷めた目で見ているが、好き嫌いは仕方なかろう。
ちなみに、機械系の上位職には純粋な機械にも通用するバフ付与能力もあるらしい。
残念ながら純粋な生産職には存在していなかったので、今後に期待である。
「父さん、機械ってあんなに凄いの? 全然見たことないんだけど」
「父さんは『機械皇』って人と知り合いだからな。その人からいろんなことを学んで、いわゆるファンタジーなメカも造れるようになれたんだ」
「凄い、凄いよ父さん!」
まあ、本当に凄いのは最大級の補正をもたらしてくれる『機械皇』なんだが。
加えて、他者の権能に干渉することができる【魔王】もである。
俺がやっていることはパクリと指示。
俺オリジナルな点はその複合だけなので、そこまで凄くはない……そういうのは他の家族にお任せだ。
「本物も偽物も関係なく、無双はできるから知ったことじゃないけどー!」
「アナタ、急にどうかしたの?」
「いやなに、なんだかんだ言いつつこのゲームでもいろいろなことをやったなって……」
ここに配置された機械だって、作り上げるまでにさまざまなことがあった。
純粋な科学の産物ではなく、魔力を扱うことができる機械に昇華しているのだから。
「ただの作業ゲーじゃなくて、家族と会うために苦心していたからこその賜物だ。みんなに感謝しないとな」
「アナタ……!」
「「はあ……」」
呆れるようなため息が聞こえた気もするけど……気にしない!
魔物たちが殲滅されるまで、ルリをギュッと抱き締めるのであった。
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機械関係のステータス設定
称号
『統天』・『機兵操者』・『一己統千』・『機兵の軍主』
職業(スキル)
【高位整備士】・【高位技師】・【操縦士】・【????】
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