虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
家族冒険 その05
連続更新です(09/12)
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「うぉおお、広ぇええええ!!」
ショウが叫んだ通り、巨大な扉を潜った先はそれと同じくらい広い空間だった。
そして、そこには一つだけ目立つ物が設置されており……。
「モノリスって言うのかしら、これ」
「ええ、さすがは奥様。それこそが、先ほどご説明いたしましたシステムを運用するための『秘石』でございます」
「父さん!」
「ああ、前に似たようなことをやっていたから問題ない。とりあえず、戦いたい相手を思い浮かべて触ってみようか」
嬉々として秘石に触れるショウ。
すると、魔法陣などに用いられる特殊言語がそこに浮かび上がり……ホログラムとしていくつもの名が書き連ねられていく。
「……ショウ、なんだか凄そうな名前ばかり浮かんでいるんだが? えっと、この一番上の……『剣帝グラム・アスリバー』ってどこの誰なんだ?」
「こっちの世界で剣を教えてくれた師匠。普通の武器だと、まだ勝てないんだぜ」
「剣技が凄いってことか……職業か二つ名かは分からないけど、いずれ会ってみたいな。自力で会ってみたいけど……まあ、無理そうだから紹介状を頼む」
「了解! あっ、でも会ったら誰にでも攻撃しているから気を付けた方がいいかも」
……えっ、それって殺人未遂じゃ?
どうやら止めるところまで完璧なお方なようで、ショウが見た限り怪我をしたようなヤツは一人も出なかったようだ。
「姉さん、母さん……」
「しょうがないわね」
「ふふっ、一回だけよ」
「やった! ねぇ、父さんもいいでしょ?」
「ああ、いいぞ。いいけど……」
俺、後回しなんだな。
分かっているさ、うちはどちらかというとこういう選択が有るときは女性の意見が優先される。
どうしても譲れないものがあるならまだしも、こういうときは男は譲るものだろう。
……まあ、たとえ否定しても大抵のことはルリが納得しないと覆るんだけどな。
「けど、どんな物にするんだ? レイドボスとかを出されても困るぞ」
「……これ、ダメかな?」
「──『切斬剣人ソード・ザ・リッパ―』。ショウ、これまた凄い相手だな」
「あのときは……偶然に偶然が重なって、どうにか勝てたんだ。けど、今回は自分の……家族の力で勝ちたい!」
自分の力、ではまだ届かないと判断したのかもしれない。
だけど、かつてよりも成長していると実感が持ちたかったのだろう。
たとえ独りでもまだダメなら、信頼できる者と共に届かせるために。
過去との決別、それがショウのためになるのなら……俺たちは応える。
──それじゃあ、再戦スタート。
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「うぉおお、広ぇええええ!!」
ショウが叫んだ通り、巨大な扉を潜った先はそれと同じくらい広い空間だった。
そして、そこには一つだけ目立つ物が設置されており……。
「モノリスって言うのかしら、これ」
「ええ、さすがは奥様。それこそが、先ほどご説明いたしましたシステムを運用するための『秘石』でございます」
「父さん!」
「ああ、前に似たようなことをやっていたから問題ない。とりあえず、戦いたい相手を思い浮かべて触ってみようか」
嬉々として秘石に触れるショウ。
すると、魔法陣などに用いられる特殊言語がそこに浮かび上がり……ホログラムとしていくつもの名が書き連ねられていく。
「……ショウ、なんだか凄そうな名前ばかり浮かんでいるんだが? えっと、この一番上の……『剣帝グラム・アスリバー』ってどこの誰なんだ?」
「こっちの世界で剣を教えてくれた師匠。普通の武器だと、まだ勝てないんだぜ」
「剣技が凄いってことか……職業か二つ名かは分からないけど、いずれ会ってみたいな。自力で会ってみたいけど……まあ、無理そうだから紹介状を頼む」
「了解! あっ、でも会ったら誰にでも攻撃しているから気を付けた方がいいかも」
……えっ、それって殺人未遂じゃ?
どうやら止めるところまで完璧なお方なようで、ショウが見た限り怪我をしたようなヤツは一人も出なかったようだ。
「姉さん、母さん……」
「しょうがないわね」
「ふふっ、一回だけよ」
「やった! ねぇ、父さんもいいでしょ?」
「ああ、いいぞ。いいけど……」
俺、後回しなんだな。
分かっているさ、うちはどちらかというとこういう選択が有るときは女性の意見が優先される。
どうしても譲れないものがあるならまだしも、こういうときは男は譲るものだろう。
……まあ、たとえ否定しても大抵のことはルリが納得しないと覆るんだけどな。
「けど、どんな物にするんだ? レイドボスとかを出されても困るぞ」
「……これ、ダメかな?」
「──『切斬剣人ソード・ザ・リッパ―』。ショウ、これまた凄い相手だな」
「あのときは……偶然に偶然が重なって、どうにか勝てたんだ。けど、今回は自分の……家族の力で勝ちたい!」
自分の力、ではまだ届かないと判断したのかもしれない。
だけど、かつてよりも成長していると実感が持ちたかったのだろう。
たとえ独りでもまだダメなら、信頼できる者と共に届かせるために。
過去との決別、それがショウのためになるのなら……俺たちは応える。
──それじゃあ、再戦スタート。
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