虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
家族冒険 その04
連続更新です(08/12)
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「──お待ちしておりました、旦那様。それに奥方様とご子息様も」
『こんにちはー』
予め『SEBAS』が設定してくれた転送陣を踏むと、俺たちはいつの間にか巨大な扉の前に立たされていた。
その前には、セバヌス──『SEBAS』が遠隔操作する人形──が待っている。
俺たちはセバヌスに挨拶をして、迷宮についての説明を聞くことに。
「こちらの迷宮、名は『永久の楽園』。皆さまのご要望に沿ったフィールドをいくつか構築し、ご家族全員で楽しめるようにさせていただきました」
「はいはーい! 具体的に、どんな感じなんだ? えっと……セバヌスさん!」
「セバヌスで構いません、ショウ様。たとえば、ショウ様のご要望は刺激的な戦いです。そして、ルリ奥様のご要望は家族と共に居る時間でした。これら二つを合わせ、団体で挑める『再生の間』をご用意いたしました」
「再生の間?」
俺はなんとなく分かるが、みんなはまだ分からないようだ。
それはもちろんセバヌスも承知しているので、しっかりと説明を行う。
「再生の間とは、皆さまの戦闘記録を読み取ることができる場所です。そして、その戦闘対象を投影して再戦することができます」
「……それって、同じことを繰り返すだけになるんじゃ?」
「マイ様、ご安心を。肉体の大きさ、戦闘中に使った行動などを解析し、擬似魂魄がその動作を学習。限りなく本物に近くなることを保証いたします」
「スゲェ!」
要するに、『生者の遊歩道』を改良したのがここなのだ。
俺の場合は予め戦闘データを集めていたのに対し、ここでは脳内から読み取るらしい。
まあ、俺の相手は基本的に権能などの法則性が掴みづらい相手ばかりだったので、直接解析するしか無かったのだろう。
対してショウの相手は、強くはあるが自力だけのものが多い。
特殊な能力なんかも、再現ができる肉体的な仕組みなんだろう。
いくら星の力を借りて再現するにしても、権能は難しくなる。
だが、迷宮的な仕組みから魔物を呼ぶことができるので……再現率はかなり高い。
迷宮って、召喚する前に魔物の情報を調べておくことができるので、それを使っているのかもな。
「他にもいくつか用意はしていますが……どうやら、内部で実際に体験していただいた方がよろしいみたいですね」
「ああ、俺たちの要望を飲んでくれたんだ。悪いアトラクションは一つも無いだろう」
「では、ご案内致しましょう──どうぞ、こちらへ」
そして、俺たちは巨大な門を潜り抜ける。
……さて、どんなアトラクションなんだ?
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「──お待ちしておりました、旦那様。それに奥方様とご子息様も」
『こんにちはー』
予め『SEBAS』が設定してくれた転送陣を踏むと、俺たちはいつの間にか巨大な扉の前に立たされていた。
その前には、セバヌス──『SEBAS』が遠隔操作する人形──が待っている。
俺たちはセバヌスに挨拶をして、迷宮についての説明を聞くことに。
「こちらの迷宮、名は『永久の楽園』。皆さまのご要望に沿ったフィールドをいくつか構築し、ご家族全員で楽しめるようにさせていただきました」
「はいはーい! 具体的に、どんな感じなんだ? えっと……セバヌスさん!」
「セバヌスで構いません、ショウ様。たとえば、ショウ様のご要望は刺激的な戦いです。そして、ルリ奥様のご要望は家族と共に居る時間でした。これら二つを合わせ、団体で挑める『再生の間』をご用意いたしました」
「再生の間?」
俺はなんとなく分かるが、みんなはまだ分からないようだ。
それはもちろんセバヌスも承知しているので、しっかりと説明を行う。
「再生の間とは、皆さまの戦闘記録を読み取ることができる場所です。そして、その戦闘対象を投影して再戦することができます」
「……それって、同じことを繰り返すだけになるんじゃ?」
「マイ様、ご安心を。肉体の大きさ、戦闘中に使った行動などを解析し、擬似魂魄がその動作を学習。限りなく本物に近くなることを保証いたします」
「スゲェ!」
要するに、『生者の遊歩道』を改良したのがここなのだ。
俺の場合は予め戦闘データを集めていたのに対し、ここでは脳内から読み取るらしい。
まあ、俺の相手は基本的に権能などの法則性が掴みづらい相手ばかりだったので、直接解析するしか無かったのだろう。
対してショウの相手は、強くはあるが自力だけのものが多い。
特殊な能力なんかも、再現ができる肉体的な仕組みなんだろう。
いくら星の力を借りて再現するにしても、権能は難しくなる。
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「では、ご案内致しましょう──どうぞ、こちらへ」
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