虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
休日開放戦 その09
連続更新です(03/12)
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「はい、お疲れさまでした!」
「……結局、直接顔を合わせることは無かったんだが。今回の相手って、どういう集団なのか知らないんだよ」
「ふふっ、それを知らないでやるのは──バカかアホかあなただけですよ」
「言われようがなぁ……まあ、ルリの頼みだから、それだけで理由は充分だしな」
バカやらアホやら言われたが、本気でないことはその笑みからすぐに分かる。
しかしまあ、その三択か……俺って同一のレベルなんだろうか?
「端的に言えば……彼らはいろいろと危ない物を持ち込んでいたみたいです。それが、街で出されるとひどく危険になって……なんとなく分かったので、派遣しました」
「大変シンプルで結構。ルリ、ちなみにそれはどんな物なんだ?」
「うーん……爆弾?」
街が大ピンチなレベルの爆弾か。
ファンタジーな世界観なので、必ずしもそれが核的なものじゃないと思う。
だが同様に、ファンタジーだからこそ存在する爆弾もある。
そういうことを望んだ奴らが用意する爆弾だ、それなりに火力もあるんだよなー。
「しばらくはこれで大丈夫なのか?」
「ええ、たぶん」
「ルリのたぶんってことは、ほぼ間違いなく大丈夫ってことだな……」
望むことは実現される。
ルリの神懸った幸運があれば、望まないことなど存在できるはずもない。
先に刺激を求めていたからこそ、今回のイベントが生まれた。
そして、それを排除したのだ……これ以上家族の冒険を邪魔するものはない。
「ショウとマイがどこにいるのか分からないけど、約束の日になったら始まりの街に戻ってきてくれるみたいだしな。ルリも、準備は忘れないでくれよ」
「ふふふっ、子供みたいにはしゃがなくても分かっていますよ。あなたが行ってから時間もありましたし、何度も確認をしていますので……ただ、一つだけ」
「問題があるのか!?」
「えっ? あなた、どうしてそんなに驚いているのかしら?」
ルリが問題を抱えるなんて……もしかしたら、今日で世界が終わるのか?
そんな冗談すら、本当になってしまうのがルリという存在の凄くて恐ろしい点だ。
「す、すぐに解決する! だから、最悪の展開とか考えないでくれよ!」
「えっ、ええ……」
「さぁ、どんな悩みでも解決する! 俺に、俺に全部任せて教えてくれ!」
「──この世界で母親らしいことをする、それって具体的に何をすればいいのかしら? 家族で、っていうならやっぱりそれみたいことがしたい……どうしたの、急に嬉しそうに頭なんか抱えて?」
よかった、比較的ありふれた悩みで。
もしも世界滅亡について……とかだった場合、どうしようもできないからな。
「なら、冒険の前の日に、アイプスルへ来てくれ。それでどうにかなるからさ」
「……本当?」
「ああ。ちょっとファンタジーとかからは外れるけど……ルリなら問題なく、母親らしいこともできるさ。だって、もう妻として俺といっしょに居てくれるんだからな」
「あなた……」
この後、いろいろとやった……うん、いろいろとだよ、いろいろと。
──いよいよ家族で冒険だ、できることはとことんやっておくぞ!
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「はい、お疲れさまでした!」
「……結局、直接顔を合わせることは無かったんだが。今回の相手って、どういう集団なのか知らないんだよ」
「ふふっ、それを知らないでやるのは──バカかアホかあなただけですよ」
「言われようがなぁ……まあ、ルリの頼みだから、それだけで理由は充分だしな」
バカやらアホやら言われたが、本気でないことはその笑みからすぐに分かる。
しかしまあ、その三択か……俺って同一のレベルなんだろうか?
「端的に言えば……彼らはいろいろと危ない物を持ち込んでいたみたいです。それが、街で出されるとひどく危険になって……なんとなく分かったので、派遣しました」
「大変シンプルで結構。ルリ、ちなみにそれはどんな物なんだ?」
「うーん……爆弾?」
街が大ピンチなレベルの爆弾か。
ファンタジーな世界観なので、必ずしもそれが核的なものじゃないと思う。
だが同様に、ファンタジーだからこそ存在する爆弾もある。
そういうことを望んだ奴らが用意する爆弾だ、それなりに火力もあるんだよなー。
「しばらくはこれで大丈夫なのか?」
「ええ、たぶん」
「ルリのたぶんってことは、ほぼ間違いなく大丈夫ってことだな……」
望むことは実現される。
ルリの神懸った幸運があれば、望まないことなど存在できるはずもない。
先に刺激を求めていたからこそ、今回のイベントが生まれた。
そして、それを排除したのだ……これ以上家族の冒険を邪魔するものはない。
「ショウとマイがどこにいるのか分からないけど、約束の日になったら始まりの街に戻ってきてくれるみたいだしな。ルリも、準備は忘れないでくれよ」
「ふふふっ、子供みたいにはしゃがなくても分かっていますよ。あなたが行ってから時間もありましたし、何度も確認をしていますので……ただ、一つだけ」
「問題があるのか!?」
「えっ? あなた、どうしてそんなに驚いているのかしら?」
ルリが問題を抱えるなんて……もしかしたら、今日で世界が終わるのか?
そんな冗談すら、本当になってしまうのがルリという存在の凄くて恐ろしい点だ。
「す、すぐに解決する! だから、最悪の展開とか考えないでくれよ!」
「えっ、ええ……」
「さぁ、どんな悩みでも解決する! 俺に、俺に全部任せて教えてくれ!」
「──この世界で母親らしいことをする、それって具体的に何をすればいいのかしら? 家族で、っていうならやっぱりそれみたいことがしたい……どうしたの、急に嬉しそうに頭なんか抱えて?」
よかった、比較的ありふれた悩みで。
もしも世界滅亡について……とかだった場合、どうしようもできないからな。
「なら、冒険の前の日に、アイプスルへ来てくれ。それでどうにかなるからさ」
「……本当?」
「ああ。ちょっとファンタジーとかからは外れるけど……ルリなら問題なく、母親らしいこともできるさ。だって、もう妻として俺といっしょに居てくれるんだからな」
「あなた……」
この後、いろいろとやった……うん、いろいろとだよ、いろいろと。
──いよいよ家族で冒険だ、できることはとことんやっておくぞ!
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