虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
パーティー勧誘 前篇
「真打は最後に登場する。つまり、俺こそが最弱にして最高のステータスの持ち主!」
「「「…………」」」
「三人の視線が痛い。けどなあ、俺って無効だとそういう視線だけでも死ぬんだぞ。そんな俺が、わざわざ自慢するステータスがこれになります!」
俺のステータスって、いちいち書き換わる部分が少ないので全部覚えていたのだ。
その結果、見事真打の座を得たステータスが今、家族に開示される──
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ステータス
名前:ツクル(男)
種族:【普人Lv999】
職業:【聖騎士Lv50】[【救星者Lv-】]
称号:『生者』
+『死天』・『巧天』・『冒天』・『統天』
HP: 1/ 1
MP:999/999[スキル発動時∞]
AP: 1/ 1
ATK: 1[スキル発動時∞]
DEF: 1[スキル発動時∞]
AGI: 1[スキル発動時∞]
DEX:999[スキル発動時∞]
INT: 1[スキル発動時∞]
MIN: 1[スキル発動時∞]
LUC: 0
通常スキル
(鑑定Lv-)
職業スキル
(職業系統樹:救星者)(精辰星意:救星者)
(忠聖守護:聖騎士)(識者之瞳:高位鑑定士)
(騎士本開:騎士)(鑑査瞳力:鑑定士)
種族スキル
ERROR
唯一スキル
:DIYLvMAX(10):
祝福
(◆◆◆◆の加護)(創造神の注目)
(死神の祝福)(獣神の祝福)(医療神の祝福)
(星獣の加護群)
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迷宮の報酬で【救星者】や『生者』の能力が強化され、セットできる称号や職業スキルの数が増えた結果を書き記しておいた。
お蔭さまで、得ていた『◯天』シリーズをすべてセットできるようになっている。
家族もステータスのいろんな部分に驚いているし、成功したみたいだ。
「えっと、その、なんと言っていいか……」
「お父さん、その、えっと……」
「はっきり言って──能力値が低すぎよ」
「…………ん?」
999とか、そういうデカい数字があるはずなんだがな。
四桁のステータスがあるのも承知の上、だがそれでも999は立派だと俺は思う。
しかし家族が気にしたのは、大きい数字ではなく──小さい数字の方だったようだ。
「アナタ、レベルアップをすると身力値や能力値にボーナスを割り振れるようになる……ここまではいいわよね?」
「ああ、だいぶ前に俺だけ自動割り振りかって話したもんな」
「そのときは気づかなかったけど、そのボーナスのポイントは2で固定じゃないのよ。種族ごとに違いがあるみたいだけど、少なくともずっと同じ数字ということはないの」
「…………マジか」
まあ、職業に就いていると割り振れない代わりに確実に2以上のポイントが貰えるとかそういうおまけもあるらしいし。
俺にはそういうものはないうえ、神によって:DIY:の代償として割り振られる先まで決められている。
ついでに、ポイントも2固定になるようにしていたのかもな。
これまで全然困らなかったので、意識したことも無かった。
「父さん、よくこんなステータスでそんなレベルまで……って死んでたんだっけ?」
「けど、数字の部分から目を背ければたしかに凄い。称号も職業スキルも、有用なものは本当に使えるみたいだし」
「それに、祝福も多いわ。一部は伏字になっているとはいえ、分かっているだけでも三柱も……やっぱりアナタは凄いわ」
マイナスなことを言ってはいたが、やっぱり褒めてくれるのが我が家の好いところ。
俺のテンションも戻ってきたし……さて、本題を話そう。
「というわけで、俺は宣言したい──」
「「「?」」」
「──家族でパーティーを結成、そして冒険しようぜ!」
そう、これを言いたかったのだ。
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