虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
ヴァルハラ その09
連続更新です(04/12)
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「うーん、闘技場がまずデカい」
《ドローンを飛ばすことができませんので、反響での推測ですが……おそらく、一千平方キロメートルはございます》
「……それ、反響で分かる距離なの? あと分かりづらい、何かたとえをくれ」
《南極大陸がほんの少し小さくなったサイズかと》
世界地図で見たことのあるアレが、この闘技場の大きさだとしたら……それだけ大きくして、いったい何が出てくるのだろうか。
なんてことを言っていると、足元に魔法陣が浮かび上がり対戦相手が出てくる。
その規模から、だいたいの大きさが分かるはずなのだが……今回は無理そうだ。
「えーっと、どこまで続いている?」
《旦那様の視界で捉えている円の大きさから推測し、全体像を演算します……どうやらこの闘技場は、戦闘を行うモノの大きさに合わせて縮小するようです》
「ってことは、相手もそれだけ大きいってことか……ああうん、いたな。北欧神話にそういう巨大なヤツ」
陣から飛びだしてきたのは、それはそれは大きな鱗模様が描かれた壁。
いや、デカすぎるからそう見えるだけの魔物……それは世界の名を冠する蛇。
「世界蛇ヨルムンガンド。それが、今回の相手なのか」
《少し小さくなっているようですが、それでも先ほどの規模を誇ります。そして、レベルは250となっているようです》
「まあ、面倒臭い」
ゲーム風に例えるなら、無尽蔵の生命力と防御力を持っている。
そしてその防御力を以って、攻撃を行うタイプに違いない。
「モルメス……は、奥まで刺さらないな。仕方ない、使うぞ──『騎士王』」
毎度のことながら、何かをやるには万能の才を権能とする『騎士王』が最適である。
発動した瞬間、すぐに動く──転移装置を起動し、視界で座標を定めて空に飛んだ。
「『墜落死』、『圧殺』、『銃殺』」
スコップ、穴輪、弾丸を世界蛇へ向け次々と投擲していく。
穴が生まれ、体が凹み、無数の銃痕が生まれるが……それでも世界蛇は止まらない。
「死因が小さすぎるか、膨大な魔力量に抵抗されて死なないのか……となると、ゴリ押しかピンポイントで殺すかだな」
《旦那様、どちらを?》
「せっかくだし、後者だな。『SEBAS』はタイミングを計って、いつやればいいのか教えてくれ……穴はもう塞がったようだ」
《自己再生能力のようですが、生命力に比例して肉体の修復速度も向上している模様》
それでも、『SEBAS』はほんの一瞬の隙を見つけてくれた。
指示に従い、もっとも銃痕の治りが遅かった部分に向けて──アイテムを投げる。
「──『貫通死の槍』、特大バージョン!」
モンスターをハントしたかった名残か、生成されたアイテムを魔改造して生みだされたこのアイテム。
『────ッ!!』
「はっ、ずいぶんとデカい声だな。やっと聞けたぜ……次に聞くのは、きっと死にかけのか細い声だろうよ!」
投擲されたそれは世界蛇を穿ち、地面へ縫い付ける。
俺はそこ目がけて跳躍し、槍の維持を強制終了させることで一瞬のみ穴を生みだす。
そして、俺がそこを潜った直後……再び穴は塞がるのだった。
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「うーん、闘技場がまずデカい」
《ドローンを飛ばすことができませんので、反響での推測ですが……おそらく、一千平方キロメートルはございます》
「……それ、反響で分かる距離なの? あと分かりづらい、何かたとえをくれ」
《南極大陸がほんの少し小さくなったサイズかと》
世界地図で見たことのあるアレが、この闘技場の大きさだとしたら……それだけ大きくして、いったい何が出てくるのだろうか。
なんてことを言っていると、足元に魔法陣が浮かび上がり対戦相手が出てくる。
その規模から、だいたいの大きさが分かるはずなのだが……今回は無理そうだ。
「えーっと、どこまで続いている?」
《旦那様の視界で捉えている円の大きさから推測し、全体像を演算します……どうやらこの闘技場は、戦闘を行うモノの大きさに合わせて縮小するようです》
「ってことは、相手もそれだけ大きいってことか……ああうん、いたな。北欧神話にそういう巨大なヤツ」
陣から飛びだしてきたのは、それはそれは大きな鱗模様が描かれた壁。
いや、デカすぎるからそう見えるだけの魔物……それは世界の名を冠する蛇。
「世界蛇ヨルムンガンド。それが、今回の相手なのか」
《少し小さくなっているようですが、それでも先ほどの規模を誇ります。そして、レベルは250となっているようです》
「まあ、面倒臭い」
ゲーム風に例えるなら、無尽蔵の生命力と防御力を持っている。
そしてその防御力を以って、攻撃を行うタイプに違いない。
「モルメス……は、奥まで刺さらないな。仕方ない、使うぞ──『騎士王』」
毎度のことながら、何かをやるには万能の才を権能とする『騎士王』が最適である。
発動した瞬間、すぐに動く──転移装置を起動し、視界で座標を定めて空に飛んだ。
「『墜落死』、『圧殺』、『銃殺』」
スコップ、穴輪、弾丸を世界蛇へ向け次々と投擲していく。
穴が生まれ、体が凹み、無数の銃痕が生まれるが……それでも世界蛇は止まらない。
「死因が小さすぎるか、膨大な魔力量に抵抗されて死なないのか……となると、ゴリ押しかピンポイントで殺すかだな」
《旦那様、どちらを?》
「せっかくだし、後者だな。『SEBAS』はタイミングを計って、いつやればいいのか教えてくれ……穴はもう塞がったようだ」
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それでも、『SEBAS』はほんの一瞬の隙を見つけてくれた。
指示に従い、もっとも銃痕の治りが遅かった部分に向けて──アイテムを投げる。
「──『貫通死の槍』、特大バージョン!」
モンスターをハントしたかった名残か、生成されたアイテムを魔改造して生みだされたこのアイテム。
『────ッ!!』
「はっ、ずいぶんとデカい声だな。やっと聞けたぜ……次に聞くのは、きっと死にかけのか細い声だろうよ!」
投擲されたそれは世界蛇を穿ち、地面へ縫い付ける。
俺はそこ目がけて跳躍し、槍の維持を強制終了させることで一瞬のみ穴を生みだす。
そして、俺がそこを潜った直後……再び穴は塞がるのだった。
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