虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
ヴァルハラ その08
連続更新です(03/12)
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まずは広い場所へ移動しましょう、と言われて俺や観客たちは案内されるままにどこかへ誘導させられる。
ただまあ、どうやらここに居る時間が長い奴ほどその正体を知っているようで……戦闘以降ずっと絡んでくる男は、かなり胸が躍るような勢いで進もうとしていた。
「なあ、これってどこに行っているんだ?」
「闘技場だ。異空間にある場所らしく、どれだけ暴れても何も言われないっていう素晴らしい場所だぞ!」
「ふーん……それってつまり、俺がそんな戦いを強いられるってことか」
「やる奴は強者と戦えるし、そうじゃない奴も刺激的な戦いを観られる。WinWinな関係ってヤツじゃねぇか?」
戦闘狂の意見はともかく、観る側の意見に関しては納得できる。
視るだけで『SEBAS』は情報を力と変えてくれるのだから、見なきゃ損だろう。
「──具体的にどんな相手と戦うのか、心当たりとかは?」
「隠しておいてもいいが、まあそれが全部ってわけじゃないからいいか。最後だけはいつも同じだ、戦乙女たちとの勝負だな」
「複数形か……その前にギブアップしなければ、の話だけど。まあそれはありえないし、戦わないとならないのか」
奥に見えてきた入り口の光。
戦乙女に誘導されて俺だけがそこを通っていくと、他の者たちは別の通路からおそらく観覧席へ向かっていった。
残ったのは、先ほど神託を受けた戦乙女。
彼女は闘技場へ進む入り口の前に立ち、最後の忠告を行う。
「『生者』様、神託によって私は貴男様のレベルを把握しております。それゆえに、これから行われる試練の難易度がどれだけ過酷なものになるのかも……」
「確認するが、神族とか出てこないよな?」
「──肯定します。ですが、我々には神族様より祝福が授けられることでしょう。その分能力値の向上が見込められます」
「なるほどなぁ、まあ負けることはないから構わないけど。準備はできている、さっそく始めてくれて構わないぞ」
というのも、『SEBAS』がいろいろと準備をしてくれた。
相手が尋常なレベルの相手ではないと、最初から予測していたみたいなんだよな。
「畏まりました。入り口を潜った瞬間に、試練は開始されます」
「はいはい、じゃあ行ってきまーす」
さっそく言われた通りに入り口を潜ると、歓声が俺を迎え入れ──殺しにかかる。
死が試練の終わりというのであれば、この時点でもう幕を閉じているだろう。
「戦闘、何回やればいいんだか。難易度はどうでもいいから、可能な限り少なく済ませてもらいたいよ」
はたしてその願いは叶うのだろうか。
まあ、無理だろうな……と思いつつ、戦闘態勢に入るのだった。
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まずは広い場所へ移動しましょう、と言われて俺や観客たちは案内されるままにどこかへ誘導させられる。
ただまあ、どうやらここに居る時間が長い奴ほどその正体を知っているようで……戦闘以降ずっと絡んでくる男は、かなり胸が躍るような勢いで進もうとしていた。
「なあ、これってどこに行っているんだ?」
「闘技場だ。異空間にある場所らしく、どれだけ暴れても何も言われないっていう素晴らしい場所だぞ!」
「ふーん……それってつまり、俺がそんな戦いを強いられるってことか」
「やる奴は強者と戦えるし、そうじゃない奴も刺激的な戦いを観られる。WinWinな関係ってヤツじゃねぇか?」
戦闘狂の意見はともかく、観る側の意見に関しては納得できる。
視るだけで『SEBAS』は情報を力と変えてくれるのだから、見なきゃ損だろう。
「──具体的にどんな相手と戦うのか、心当たりとかは?」
「隠しておいてもいいが、まあそれが全部ってわけじゃないからいいか。最後だけはいつも同じだ、戦乙女たちとの勝負だな」
「複数形か……その前にギブアップしなければ、の話だけど。まあそれはありえないし、戦わないとならないのか」
奥に見えてきた入り口の光。
戦乙女に誘導されて俺だけがそこを通っていくと、他の者たちは別の通路からおそらく観覧席へ向かっていった。
残ったのは、先ほど神託を受けた戦乙女。
彼女は闘技場へ進む入り口の前に立ち、最後の忠告を行う。
「『生者』様、神託によって私は貴男様のレベルを把握しております。それゆえに、これから行われる試練の難易度がどれだけ過酷なものになるのかも……」
「確認するが、神族とか出てこないよな?」
「──肯定します。ですが、我々には神族様より祝福が授けられることでしょう。その分能力値の向上が見込められます」
「なるほどなぁ、まあ負けることはないから構わないけど。準備はできている、さっそく始めてくれて構わないぞ」
というのも、『SEBAS』がいろいろと準備をしてくれた。
相手が尋常なレベルの相手ではないと、最初から予測していたみたいなんだよな。
「畏まりました。入り口を潜った瞬間に、試練は開始されます」
「はいはい、じゃあ行ってきまーす」
さっそく言われた通りに入り口を潜ると、歓声が俺を迎え入れ──殺しにかかる。
死が試練の終わりというのであれば、この時点でもう幕を閉じているだろう。
「戦闘、何回やればいいんだか。難易度はどうでもいいから、可能な限り少なく済ませてもらいたいよ」
はたしてその願いは叶うのだろうか。
まあ、無理だろうな……と思いつつ、戦闘態勢に入るのだった。
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