虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
ヴァルハラ その06
月末恒例の連続更新です(01/12)
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「──で、お前さんの望むアイテムはかなり難しいってわけだ!」
「はあ、面倒臭くなりそうだな」
「俺は! お前と戦えるから! それ! 構わないがな……って、なんで死なねぇ!?」
「そういう能力なんだよ。悪いな、ここに来た目的を果たすまでは死ねないんだ」
とある品──酒での買収を図ったが、残念なことにそれは半ば失敗した。
半ば、つまりはいちおうの成功もしていたのだ……交渉(物理)になっただけで。
周りで人々に観られながら、闘奴気分でパフォーマンスをしながら話を聞いていく。
死んでも死なない俺を観ながら、観客たちはどう攻略するか話し合っているな。
……一部の者は反則かどうか、ルールに背いた行動をしていないかと調べていた。
ここには先日の戦乙女も含まれている。
「それより、情報を教えてくれ」
「続く限り……なんて条件にした時点で俺の負けだったか。まあいいや、それよりまだ聞くのかよ」
「まだまだ知りたいからな。お前の就いている【戦死英霊】について訊きたい。それはどうやって就くんだ?」
「誰でもいいから戦乙女か神族に認められれば、就けるようになる。これもさっき言った交渉が必要になる場合があるがな。許可をくれたヤツによって、恩恵が違う場合があるんだ──こんな風にな!」
男の体にルーン文字が現れると、身体能力が向上してさらに手早く俺を殺す。
すぐに肉体は再構築され、切り裂かれたはずの口が言葉を紡いでいく。
「身体強化のルーンか? なるほど、就くにしても誰と交渉するかが大切になる……そういうことだな?」
「……ったく、自信を無くすぜ。こう見えても俺って、ここに居る奴らの中だとそれなりに強いんだぞ?」
「知ってる。だから情報だって、お前から聞いているんだろう?」
「そういうことじゃ……おっと、珍しい。戦いに戦乙女様が介入するなんてな」
男の言葉通り、何人かの戦乙女たちがこちらに近づいてくる。
俺と男は武器を収め、直立姿勢で待つ。
「お見事でしたよ、エインヘリヤル。いずれ貴男にも召集が掛かるかもしれません。そのときのため、更なる向上を願います」
「ハッ、この命を捧げましょう!」
「ええ。ですが……貴男は。そもそも、いったい何者なんですか? 外部から現れたということは、迷い込んだか推薦のはず。そしてその奇妙な力、それは──」
あのときの戦乙女は後方におり、今俺に訝しげな視線を向けているのはここに居る戦乙女の中でもっとも妙齢な個体だ。
まあ、妙齢と言っても二十代前半ぐらいの見た目なんだけど。
……と、それはともかく質問されているんだった。
せっかくなので、反応からいろいろと分かるような解答にしてみよう。
「俺は『天死』に運んでもらった、ただの生身の普人族だぞ。そして、『超越者』として冒険世界で活動している」
動揺がいろんな場所から感じられる。
最初に言った『天死』、次の生身、あとは『生者』の辺りが顕著だった。
最初はこっそりしようと思っていたが、ある程度ルールで行動が制限されている以上はやり方を変える必要がある。
その限度を確かめるための試金石──それがこのアプローチだ。
……さてさて、反応はいかがかな?
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「──で、お前さんの望むアイテムはかなり難しいってわけだ!」
「はあ、面倒臭くなりそうだな」
「俺は! お前と戦えるから! それ! 構わないがな……って、なんで死なねぇ!?」
「そういう能力なんだよ。悪いな、ここに来た目的を果たすまでは死ねないんだ」
とある品──酒での買収を図ったが、残念なことにそれは半ば失敗した。
半ば、つまりはいちおうの成功もしていたのだ……交渉(物理)になっただけで。
周りで人々に観られながら、闘奴気分でパフォーマンスをしながら話を聞いていく。
死んでも死なない俺を観ながら、観客たちはどう攻略するか話し合っているな。
……一部の者は反則かどうか、ルールに背いた行動をしていないかと調べていた。
ここには先日の戦乙女も含まれている。
「それより、情報を教えてくれ」
「続く限り……なんて条件にした時点で俺の負けだったか。まあいいや、それよりまだ聞くのかよ」
「まだまだ知りたいからな。お前の就いている【戦死英霊】について訊きたい。それはどうやって就くんだ?」
「誰でもいいから戦乙女か神族に認められれば、就けるようになる。これもさっき言った交渉が必要になる場合があるがな。許可をくれたヤツによって、恩恵が違う場合があるんだ──こんな風にな!」
男の体にルーン文字が現れると、身体能力が向上してさらに手早く俺を殺す。
すぐに肉体は再構築され、切り裂かれたはずの口が言葉を紡いでいく。
「身体強化のルーンか? なるほど、就くにしても誰と交渉するかが大切になる……そういうことだな?」
「……ったく、自信を無くすぜ。こう見えても俺って、ここに居る奴らの中だとそれなりに強いんだぞ?」
「知ってる。だから情報だって、お前から聞いているんだろう?」
「そういうことじゃ……おっと、珍しい。戦いに戦乙女様が介入するなんてな」
男の言葉通り、何人かの戦乙女たちがこちらに近づいてくる。
俺と男は武器を収め、直立姿勢で待つ。
「お見事でしたよ、エインヘリヤル。いずれ貴男にも召集が掛かるかもしれません。そのときのため、更なる向上を願います」
「ハッ、この命を捧げましょう!」
「ええ。ですが……貴男は。そもそも、いったい何者なんですか? 外部から現れたということは、迷い込んだか推薦のはず。そしてその奇妙な力、それは──」
あのときの戦乙女は後方におり、今俺に訝しげな視線を向けているのはここに居る戦乙女の中でもっとも妙齢な個体だ。
まあ、妙齢と言っても二十代前半ぐらいの見た目なんだけど。
……と、それはともかく質問されているんだった。
せっかくなので、反応からいろいろと分かるような解答にしてみよう。
「俺は『天死』に運んでもらった、ただの生身の普人族だぞ。そして、『超越者』として冒険世界で活動している」
動揺がいろんな場所から感じられる。
最初に言った『天死』、次の生身、あとは『生者』の辺りが顕著だった。
最初はこっそりしようと思っていたが、ある程度ルールで行動が制限されている以上はやり方を変える必要がある。
その限度を確かめるための試金石──それがこのアプローチだ。
……さてさて、反応はいかがかな?
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