虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―
VS死徒 後篇
「『SEBAS』、推定でいいからあとどれくらいだ?」
《これまでに消費されたリソースから計算した場合……推定数は残り百二十ほどかと》
「……それで、今降臨された死徒様は?」
《百二十です》
面倒になったのか、言った単語や放った技から危険度を上げたのか……。
理由はともかく、死徒たちは俺を殺すために本気を出したようだ。
「一気に片を付けたい……『SEBAS』、俺を『機械皇』にしてくれ。『統天』で、プラスして『人間爆弾』を貸与だ」
《畏まりました》
そして俺自身はドローンをあるだけ用意して、上空に飛ばしていく。
同時に『万造の絨毯』を下に広げ、魔石を置いておいて複製作業も並列して行う。
「俺も行くか──『天翔靴』起動」
相棒にしては、ずいぶんと久しぶりに使っている気がする神器『モルメス』を挟む。
そして履いた靴型の魔道具を使い、空を歩いて死徒たちの下へ向かう。
「ドローンたち、起爆」
《『人間爆弾』、起動します》
これもだいぶ前、ちょうどモルメスを始めて使った頃のイベントで得たっぽい称号……それが『人間爆弾』。
その効果はシンプル、何かに当たったとき爆発するというモノ。
称号なので、本来は付与などできない……が、『統天』はそれを可能にする。
能力の貸与、自身の支配下に収まった者たちに行える権能。
人が相手なら信頼とか信用が関わるようだが……機械が相手なら、確実に成功する。
そして、今の俺は『機械皇』の権能である機械に特化した補助が発動し、ドローンたちの隠しステータス的なモノを強化していた。
そこには『人間爆弾』も含まれており……その火力は、一機一殺を可能にするほどだ。
『──ッ!?』
「死徒様たちも驚いていらっしゃるな……レベリングとしてはちょうどいい、どんどん自爆して逝け」
《畏まりました》
「あと、俺に言わなくて良いから職業がカンストしたら適当に変えておいてくれ。もうこれまでの死徒で【奴隷】はカンストしただろうし……もったいないからな」
モルメスで近くに居た死徒を適当に切り裂きながら、そう指示しておく。
あとはもう機械的な作業だ……自爆と特攻でゴリ押しし、百二十体を殲滅する。
塵も積もれば山となるというし、レベル250の相手の経験値であればそれなりに手に入るだろう……どうせなので、上げる気の無かった生産職の経験値でも稼いでおこう。
「……戦闘でも稼げるよな?」
《戦闘時に、就いている職業に関わるアイテムを使用した場合に限りますが。旦那様の場合、:DIY:がすべてを司っているため、ドローンやモルメスを使用すればどの職業であれ、レベルは上昇します》
「……うわー、チート臭ぇ」
だがまあ、捗ることに違いはない。
生産活動でいちいち上げるよりは……こっちの方が楽だな。
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