虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―
VS死徒 前篇
連続更新中です(12/12)
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「──さて、起動っと」
リソースの還元装置、これは今回の使用用途以外にも使い道があった。
エネルギーの分離などなのだが、レムリアに行くまでは完成品では無かったのだ。
霊体とSP、そういった異なる概念を学ぶことでリソースというエネルギーの流れをより正確に読み取れるようになった。
「そして今、それは強固な結界にすら干渉可能な状態へ……ヤバッ!」
死亡レーダーがもたらした、最大限の警告に即座の移動を決断する。
予め設定しておいた座標まで逃げることができる転位によって、瞬間移動を行う。
──そして次の瞬間、俺の居た場所に光の柱が降り注ぐ。
「……いや、強すぎない?」
《制御されていないとはいえ、『白氷』が固めたこの城を貫通しております。瞬間火力はそれなりに高いかと》
「まあ、それは問題じゃない。どうせ死ぬから関係ないだけだが……それより、アレが例のレベリング対象なのか?」
《はい、あれこそが死徒。運営の意に背く存在を排除するもう一つの使いです》
使徒、ではなく死徒のようだ。
別に俺みたいな権能を持っているわけではなく、死ぬまで無限湧きしてくる様子からそう言われているらしい。
「──で、また例の情報か?」
《断片的な情報でしたが。それによると、違反行為に応じた分のリソースが供給され、死徒の数はそれによるそうです》
「つまり封印が無くなれば、死徒の方も居なくなるわけか」
光の柱が収まり、死徒を視認できるようになった。
真っ黒な翼の天使……だがそこに顔などはない、まさに怪物だ。
しかしその手には神々しい白い光を纏っており、こちらにジッと顔を向けている。
《レベルは250、能力値も相応に高いですがスキルを保有しておりません。スキルを奪う者への対策でもあります》
「……【魔王】とかか? たしかに、あの人と『騎士王』ならコイツに襲われても平然としていそうだしな」
《旦那様、来ます》
「あいよー──『覇獸』“風兎”」
便利な風兎の力、それを『覇獸』の権能から発動させて身に纏う。
これから行う攻撃には、風を操れた方が楽だったからだ。
「撒き散れ──『乱射の雨矢』」
矢を宙に抛ると、勝手に起動する。
一本だった矢が二本、四本と増えその増殖した物すべてが死徒を追尾していく。
『…………』
だが死徒は軽く手を薙ぐ。
それだけで、手刀の要領で光の斬撃が放たれ俺ごと風を断ち斬られる。
「停止は……してくれないか。仕方ない、普通に倒すしかないみたいだな」
俺が死ぬ度に停まってくれるなら、簡単に倒せたのに……面倒臭くなるな。
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「──さて、起動っと」
リソースの還元装置、これは今回の使用用途以外にも使い道があった。
エネルギーの分離などなのだが、レムリアに行くまでは完成品では無かったのだ。
霊体とSP、そういった異なる概念を学ぶことでリソースというエネルギーの流れをより正確に読み取れるようになった。
「そして今、それは強固な結界にすら干渉可能な状態へ……ヤバッ!」
死亡レーダーがもたらした、最大限の警告に即座の移動を決断する。
予め設定しておいた座標まで逃げることができる転位によって、瞬間移動を行う。
──そして次の瞬間、俺の居た場所に光の柱が降り注ぐ。
「……いや、強すぎない?」
《制御されていないとはいえ、『白氷』が固めたこの城を貫通しております。瞬間火力はそれなりに高いかと》
「まあ、それは問題じゃない。どうせ死ぬから関係ないだけだが……それより、アレが例のレベリング対象なのか?」
《はい、あれこそが死徒。運営の意に背く存在を排除するもう一つの使いです》
使徒、ではなく死徒のようだ。
別に俺みたいな権能を持っているわけではなく、死ぬまで無限湧きしてくる様子からそう言われているらしい。
「──で、また例の情報か?」
《断片的な情報でしたが。それによると、違反行為に応じた分のリソースが供給され、死徒の数はそれによるそうです》
「つまり封印が無くなれば、死徒の方も居なくなるわけか」
光の柱が収まり、死徒を視認できるようになった。
真っ黒な翼の天使……だがそこに顔などはない、まさに怪物だ。
しかしその手には神々しい白い光を纏っており、こちらにジッと顔を向けている。
《レベルは250、能力値も相応に高いですがスキルを保有しておりません。スキルを奪う者への対策でもあります》
「……【魔王】とかか? たしかに、あの人と『騎士王』ならコイツに襲われても平然としていそうだしな」
《旦那様、来ます》
「あいよー──『覇獸』“風兎”」
便利な風兎の力、それを『覇獸』の権能から発動させて身に纏う。
これから行う攻撃には、風を操れた方が楽だったからだ。
「撒き散れ──『乱射の雨矢』」
矢を宙に抛ると、勝手に起動する。
一本だった矢が二本、四本と増えその増殖した物すべてが死徒を追尾していく。
『…………』
だが死徒は軽く手を薙ぐ。
それだけで、手刀の要領で光の斬撃が放たれ俺ごと風を断ち斬られる。
「停止は……してくれないか。仕方ない、普通に倒すしかないみたいだな」
俺が死ぬ度に停まってくれるなら、簡単に倒せたのに……面倒臭くなるな。
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