虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
屍鬼の対価
連続更新中です(11/12)
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N13
奴隷生活一日目、特に大きな変化もなく冒険世界へ向かうことができた。
できるなら、人が居ない場所へ行こう……ということで、極寒の地を訪れる。
「レベリングにも最適だからな。ソルロンを放てば、それだけでガンガン育っていく」
あまり望ましくない上げ方ではあるが、誰も居ない場所なので勘弁してもらいたい。
職業のレベルを上げるのもそうだが、種族レベルも上げておきたいし。
「これで……ようやく900台か。ずいぶんと時間が掛かったな」
《旦那様はとても多忙ですので》
「……レベル上げをサボったからか。ところで、職業スキルは稼働しているか?」
《はい。さすがは旦那様がお作りになられた魔道具です。しっかりと状態は『屍鬼』と化しております》
つまりは死んでいるわけだ。
本来この状態で死んだ場合、休人だろうと種族がアンデッドになってしまうらしい。
なので俺以外、この方法は取れないわけだな……ちなみに死ぬ前に状態異常を治せば、ギリギリセーフだぞ。
「さて、ここに来たもう一つの理由……準備ができたんだったな」
《はい。『白氷』を封印する氷の解除方法が判明しました。旦那様には、ぜひともそれを実行してもらいたいのです》
「……前は放置していたが、理由は?」
《封印解除にともなう副産物、それに用がございます。旦那様の力が、どこまでのものになるか……またレベリングの相手にも最適でしょう》
つまり、レベル900の俺でもガッポリ経験値が手に入る相手だと……異常だな。
通常の存在はレベル250がカンスト値だが、強ければ経験値量は膨大だ。
どうやら『SEBAS』は、解放の余波で現れるナニカをレベリング対象にしているようだ……いや、難しいだろう。
「それ、俺が勝てるのか?」
《問題ありません。推測が正しければ、旦那様が敗北することは絶対にございません》
「……死にはするけどな」
だがまあ、俺としてもできるのであれば解放してやりたい。
悪戯好きな妖精だったらしいが……事情の調査はしておきたいので。
◆ □ ◆ □ ◆
雪でできた城の中に入ると、そこには変わらず結晶が存在していた。
中には目的の妖精『白氷』が眠っており、永久に封印され続ける。
「……これで、解除できるんだよな?」
《いえ、そのアイテムだけではできません。これは結晶に用いられたリソースを、元の形に還元するだけの代物ですので》
「つまり……また元に戻られたら、結局やり直しってことか」
《その通りです。旦那様には、元の状態に回帰した術式を討伐していただきます》
ゲームでも定番のパターンだ。
呪いが具現化して、それと闘わなければいけない……みたいなヤツ。
──本当、俺は主人公じゃないんだがな。
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N13
奴隷生活一日目、特に大きな変化もなく冒険世界へ向かうことができた。
できるなら、人が居ない場所へ行こう……ということで、極寒の地を訪れる。
「レベリングにも最適だからな。ソルロンを放てば、それだけでガンガン育っていく」
あまり望ましくない上げ方ではあるが、誰も居ない場所なので勘弁してもらいたい。
職業のレベルを上げるのもそうだが、種族レベルも上げておきたいし。
「これで……ようやく900台か。ずいぶんと時間が掛かったな」
《旦那様はとても多忙ですので》
「……レベル上げをサボったからか。ところで、職業スキルは稼働しているか?」
《はい。さすがは旦那様がお作りになられた魔道具です。しっかりと状態は『屍鬼』と化しております》
つまりは死んでいるわけだ。
本来この状態で死んだ場合、休人だろうと種族がアンデッドになってしまうらしい。
なので俺以外、この方法は取れないわけだな……ちなみに死ぬ前に状態異常を治せば、ギリギリセーフだぞ。
「さて、ここに来たもう一つの理由……準備ができたんだったな」
《はい。『白氷』を封印する氷の解除方法が判明しました。旦那様には、ぜひともそれを実行してもらいたいのです》
「……前は放置していたが、理由は?」
《封印解除にともなう副産物、それに用がございます。旦那様の力が、どこまでのものになるか……またレベリングの相手にも最適でしょう》
つまり、レベル900の俺でもガッポリ経験値が手に入る相手だと……異常だな。
通常の存在はレベル250がカンスト値だが、強ければ経験値量は膨大だ。
どうやら『SEBAS』は、解放の余波で現れるナニカをレベリング対象にしているようだ……いや、難しいだろう。
「それ、俺が勝てるのか?」
《問題ありません。推測が正しければ、旦那様が敗北することは絶対にございません》
「……死にはするけどな」
だがまあ、俺としてもできるのであれば解放してやりたい。
悪戯好きな妖精だったらしいが……事情の調査はしておきたいので。
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雪でできた城の中に入ると、そこには変わらず結晶が存在していた。
中には目的の妖精『白氷』が眠っており、永久に封印され続ける。
「……これで、解除できるんだよな?」
《いえ、そのアイテムだけではできません。これは結晶に用いられたリソースを、元の形に還元するだけの代物ですので》
「つまり……また元に戻られたら、結局やり直しってことか」
《その通りです。旦那様には、元の状態に回帰した術式を討伐していただきます》
ゲームでも定番のパターンだ。
呪いが具現化して、それと闘わなければいけない……みたいなヤツ。
──本当、俺は主人公じゃないんだがな。
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