虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
ギルド問題 その01
連続更新中です(11/12)
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「──なるほど、必要性ですか……」
ギルドの奥にあるギルド長室にて、空いていた生産ギルド内の理由を聞いてみた。
そして分かった結論……このギルドには、必要を感じられなかったようだ。
「城塞都市に迷宮が在り、豊富な素材を得られる以上……素材に拘る者はそちらに向かってしまいます。そして、そのまま移住する場合が多く……休人の方々も同様です」
といったことを告げるギルド長(男)。
まあ、ただ高いだけの店よりも、採れたてが集まる場所に集まるか。
そして、また別の問題もあって……。
「ギルドそのものが揉めている、というのはどういった理由で?」
「ああ、それはですね……先代のギルド長が反感を買ってしまい、今代となってもその関係が維持されているのです」
「なるほど……生産ギルドにも所属していない、というわけではないのですね」
「あっ、いえ……職人の方々には所属してもらっているのですが、その弟子の方々を所属させることを拒まれてしまって……」
辞められるという、最悪の事態には陥っていないようだな。
ある意味ストライキ状態なのか……その先代がしたことを、解決すればいいのかも。
「何か協力できることはありますか? あなたに直接関係がない理由で、生産ギルドがこのような状態というのも……特級会員として見捨てておけません」
「おおっ、それはありがたい! で、では、正式に依頼を発注し──」
「いえ、それには及びません。私とて生産ギルドの一員として、無償で貢献させていただきます……私とてしても、腕利きの職人たちとの接点を持っておきたいですので」
「……分かりました。では、職人たちの住む住居の場所を書き記させてもらいます」
ここは王国の首都なので、それなりに広く探すのであれば少々時間が掛かってしまう。
だがここでちゃんと地図を貰っておけば、ドローンですぐそこを把握できるだろう。
「──こちらです。しかし、気を付けてくださいね……彼らは武人でもあり、先代も引退理由の一つに負傷が含まれます」
「…………えっ? あっ、はい。それでも構いません。接点を持つことが目的ですので、どういった結果となるかは分かりません……ただ、それでもケガなく帰ってきますよ」
地図を受け取った直後に告げてくるのは、それなりに打算があってのことだろうか?
まあ、別にそれでも構わないさ。
俺はケガとは無縁の体になっているし、今では立派な職業にも就いている。
──いざとなれば、生産系の最上位職業にでも就いてやろうじゃないか。
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「──なるほど、必要性ですか……」
ギルドの奥にあるギルド長室にて、空いていた生産ギルド内の理由を聞いてみた。
そして分かった結論……このギルドには、必要を感じられなかったようだ。
「城塞都市に迷宮が在り、豊富な素材を得られる以上……素材に拘る者はそちらに向かってしまいます。そして、そのまま移住する場合が多く……休人の方々も同様です」
といったことを告げるギルド長(男)。
まあ、ただ高いだけの店よりも、採れたてが集まる場所に集まるか。
そして、また別の問題もあって……。
「ギルドそのものが揉めている、というのはどういった理由で?」
「ああ、それはですね……先代のギルド長が反感を買ってしまい、今代となってもその関係が維持されているのです」
「なるほど……生産ギルドにも所属していない、というわけではないのですね」
「あっ、いえ……職人の方々には所属してもらっているのですが、その弟子の方々を所属させることを拒まれてしまって……」
辞められるという、最悪の事態には陥っていないようだな。
ある意味ストライキ状態なのか……その先代がしたことを、解決すればいいのかも。
「何か協力できることはありますか? あなたに直接関係がない理由で、生産ギルドがこのような状態というのも……特級会員として見捨てておけません」
「おおっ、それはありがたい! で、では、正式に依頼を発注し──」
「いえ、それには及びません。私とて生産ギルドの一員として、無償で貢献させていただきます……私とてしても、腕利きの職人たちとの接点を持っておきたいですので」
「……分かりました。では、職人たちの住む住居の場所を書き記させてもらいます」
ここは王国の首都なので、それなりに広く探すのであれば少々時間が掛かってしまう。
だがここでちゃんと地図を貰っておけば、ドローンですぐそこを把握できるだろう。
「──こちらです。しかし、気を付けてくださいね……彼らは武人でもあり、先代も引退理由の一つに負傷が含まれます」
「…………えっ? あっ、はい。それでも構いません。接点を持つことが目的ですので、どういった結果となるかは分かりません……ただ、それでもケガなく帰ってきますよ」
地図を受け取った直後に告げてくるのは、それなりに打算があってのことだろうか?
まあ、別にそれでも構わないさ。
俺はケガとは無縁の体になっているし、今では立派な職業にも就いている。
──いざとなれば、生産系の最上位職業にでも就いてやろうじゃないか。
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