虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―
見習い変更薬
錬金術に関することを行っていたこともあり、『錬金王』の工房を訪れる。
そして、例の話をしてみた。
「液体流動金属か……ずいぶんとまあ、希少な物を知っているな」
「やはり、知っておられましたか」
「ああ、難易度の高い錬成だからな。一度は試してみたんだが……さすがに五百tもの量だ、錬金だけでの実験は諦めた」
「さすがに無理がありましたか」
錬金術でも作れる液体流動金属なのだが、魔物の素材やら無数のレア触媒などが必要なため錬成は非常に難しい。
「だが、そんな液体流動金属が大量に、今ここにある……これを持ち込んで、いったい何がしたいんだ?」
「とある方法で、ある程度数が確保できましたので……おすそ分けです。ユリルの実験に使うでも、ご自身で使うでも構いません。ただ、一つお尋ねしたいことが……」
「ほぉ、『生者』から訊いてくることがあるのか……珍しいこともあるのだな」
まあ、話のネタ程度で訊くことはあるのだが、面を合わせて真面目に訊ねることはあまりなかったな。
「職業を強制的に変更するアイテム、とかはありませんか?」
「……ずいぶんと危険な話だな。結論から言えばそれはあるが、あくまで初歩的なモノでしかないしあまり強くもない」
「どんなアイテムなんですか?」
「『運天の改華』というアイテムだ。職業を書き換え、身に纏えない装備を使えるようにするための物だ……ただし、【見習い】と先に付く職業にしかならない」
あっ、うん……それが普通だよな、初期職業なんだから……。
俺の場合、【救星者】の“職業系統樹”で過程を飛ばしているからな。
しかも、なぜか条件は解放されておらず、生産職以外は就くことができない。
どういう理由かは分からないが……そのアイテムが作れれば、解決できそうだな。
「それで構いません。その『運天の改華』はすぐに用意できますか?」
「いや、残念ながら難しい。触媒のほとんどが絶滅危惧種として保護されるほどの希少な物で、集めるだけでも一苦労。そのうえ、生成の成功率もほんの僅かだ」
「……それ、需要有ったんですか?」
「職業は神が定めし法則の一つだ。それを書き換えられる、それだけでも充分に価値のある品だ。才能の無いモノでも、そこに手を伸ばす可能性を手に入れられるのだから」
参考程度に必要なモノを訊いてみたが、魔物由来の素材も多くすぐに準備するのは難しそうだ。
だけど、やっておいた方がいいな……すべての職業に【見習い】があるのだから、複製できれば自在に変えられるわけだしな。

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