虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
地下街迷宮 その03
二階層へ移動してみれば、たしかに人型の魔物相手に戦闘を行っている。
強さはまちまちだが、決まって耐久力が多めに設定されているようだ。
「二階層は近接用の相手か。やっぱり、剣を使う奴が一番多いみたいだな」
ちなみに魔物とは目に見えて血を出すような種族ではなく、無機物などの出血が無いモノが多い。
ただし、それがすべてではなくいちおうは魔子鬼みたいな種族もいるようだ。
実戦でその戦い方を行うためには、血にも慣れておかないといかないからな。
「そういえば、俺って近接は剣か拳の場合が多いよな。まあ、出会った相手にそれ以外を使っているヤツがそんなにいなかったし」
他にも『騎士王』が鑓を振るうが、基本はもともと持っていた剣を振るっている。
投擲を『死天』のアイテムを使うために磨いたが……これは『SEBAS』が集めたプロの投球法を器用さで模倣しただけだ。
「いい機会だな。モルメスはいちおう短剣だし、いろんな形の武器を使えるようにしておくか……『SEBAS』」
《畏まりました》
「もともとドローンを飛ばす気でいたけど、動きだけでなくソイツのスキルレベルも知りたいな。鑑定……じゃ無理だから、会話を読み取る程度でいい」
《集音装置付きのドローンも向かわせましょう。そうでなくとも、読唇を行えれば充分理解できます》
一階層で自分の技術を売っている者が居たのだが、自分のスキルのレベルを開示することで腕の証明をしていた。
嘘かどうか、分かる者には分かるので嘘を吐くメリットが見当たらない。
なのでそこに記された情報を信じれば、レベルごとの腕前を視ることもできるな。
◆ □ ◆ □ ◆
続いて三階層へ向かう。
中距離での戦闘を目的とするこのフィールドでは、槍などが振るわれている。
「やっぱり、どの世界でも剣が主流みたいな考え方があるのか? まあ、どんな武器だろうと最後に生き残ったヤツが強いんだから好きにすればいいと思うけど」
《旦那様は武器に好みなどは?》
「特に無いな……もともとオンゲーだったから重さを気にしたことないし、いつもランダムだったから好き嫌いなんて考えたこともなかったぞ」
だが、この世界は従来のゲームと違って振るう武器にも重さが生じる。
俺だって本当は、武器を振るうために身体強化を魔力で行わなければならない。
今は重さを無くす加工を行うか、物を持つ分の筋力補助を外部の魔力で自動で行うことによってどうにか補っているぞ。
「色物な武器もあるが……うん、そういう武器の方が強い場合もあるからな。こっちも見ておいてくれ」
《畏まりました》
次の階層へ、そのまま上層から繋がる階段で降りていく。
……あとは遠距離と目的地の階層だな。
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