虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―
騎士国守護者 前篇
「──なるほど、守護者か……よく話してくれたな、『生者』よ」
「…………話すまで睨むとか、ド定番の方法で俺を焦らせたお前の台詞じゃないよ」
「いや、そこまで褒めても何も出ないぞ」
「出したのは俺で、褒めてない。そしてどうせなら、お前からも情報を出せ」
いつもの『騎士王』とのトークタイム。
絶対にコイツの国にも居るんだろうな、とふと守護者について訊いてみることにした。
まだまだ行っていない場所が多いし、とある謎を『SEBAS』が抱えていたからだ。
《前回の魔族侵攻の際、『円卓の騎士』が防衛に向かわなかった地域がございました。もともと十数人では対処できないほど、広大な領地。森だけではなく、領地の至る所に守護者が居るのかもしれません》
「──まあ、そっちの守護者って毎度お馴染みの『円卓の騎士』たちだけなのか? ……おい、ボタンを取るな」
「油断も隙も無いな、まったく。守護者に関する話か、悪いがすべては話せぬぞ」
「話せる限りでいい。だから、頼む……それにボタンも放してくれ」
非力な俺ではボタンを奪い返すことはできず、俺が放してしまった。
そんな俺を軽く笑ってから、『騎士王』がようやく話す。
「守護者は人と魔物、それぞれに存在する。人の守護者は知っての通り『円卓の騎士』、魔物の守護者は……特に名称は無いが、存在している。これらは時間を費やし、理性を得た魔物と契約を交わしているのだ」
「契約? 俺の知っている方法では、神の加護が必要って教わったんだが……」
「ふっ、よもや『騎士王』の権能を忘れたわけではなかろうな?」
「……ああ、できちゃうんですね」
何でもできるってのは、こういう部分にも通用するんだな。
しかし、魔物と契約か……ずっと前に猫を殺したのは、契約できない個体だったからというのも理由なんだろうか?
「その顔は、シュパリュについて考えているようだな。そうだ、あれは殺意が強大なせいか何度死んでも我々への殺意を保ち続けているのだ。だが、初代と闘った魔物の何体かはすでに歴代の『騎士王』と契約している」
「どこかの代の『騎士王』と契約しているをしていると、それが次代の『騎士王』とも継続して契約されるのか……便利だな」
「本来は国と交わすモノらしいが……それは生が続かないのが主な理由だ。しかし、我々『超越者』はその名を引き継ぐことができるからな。国王としてではなく、こちらとして交わした方が手っ取り早いのだ」
そう言った『騎士王』は、一度舌を回すことを止めて焼き串を頬張る。
……ボタン、潰すんじゃねぇよ。
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