虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
大森林 その13
N7W6
森の様子がやや変化する。
やはり森獣それぞれが管理を区画ごとに分けているため、支配領域が変わると森の様子も異なるものとなっていく。
「『SEBAS』、反応は?」
《侵略者の反応はございますが、その源泉となる門の反応はございません》
「やっぱり侵略者は居るのか……後ろから区画を越えても来ているし、やっぱりどうにかするしかないな」
本来、魔物は自分の生息区域から出ることは無い。
それは別区画まで跨ってフィールドが構成されているか、はたまたそういう性質を持つ魔物だけだ。
侵略者の場合、侵略した魔物ごとあらゆる場所へ向かうことができる。
結界なども、物理的な防御力が無いとあっさり通過されるということだ。
「これならどうだ──『不死者の骨手』」
まあ、そのまんまだな。
これに掴まれた俺は、生命力吸収とそもそも掴まれたことによるダブルダメージでぽっくりと逝った。
種子型のそれを地面に放ると、無数の骨が土から生えて侵略者入りの魔物を捕まえる。
ただ、そこまで数は多くないので捕縛された魔物の肉体を避けるだけで他の奴らが次々とその後ろから現れた。
「お次は──『吸死の黒霧』」
これは冥界の霧である。
思いだしたくないモノまで思いだしてしまいそうな、あそこでの思い出。
何度も俺を殺したあの霧を──今、地上へ解き放つ。
「って、あれ……結構効いてるな?」
《冥界はさまざまな伝承や神話を用いて形を成していました。また、下層でレムリアの封印もできておりましたので、侵略世界とも何かしらの縁があったのかもしれません》
「その関係があるから、黒霧がちゃんとアイツらにも通用していると……またイイ情報を得られたな」
足止めには成功した。
この黒霧も冥界でしか長時間保てない代物だが、どうやら侵略者を吸えば現存時間が延びるようだ。
そのせいか、なんだか霧の方から侵略者の方へ近づいている気が……あっ、うん、その通りでした。
「よ、よし、もう次に行くぞ!」
《畏まりました。その先をやや右に避けてください》
「了解っと」
待ち構える侵略者を躱し、さらに次の場所へ向かっていく。
……うん、ドローンに黒霧を持たせて、放出させておくのもありだな。
◆ □ ◆ □ ◆
N8W6
九つに分けたエリアの内、右上の部分に到達した。
右のエリアにはすべて川が存在しており、この場所では滝が流れている。
「また下に行けば、箱庭が見つかるのか?」
《ここは森獣の守護域です。おそらく、この先に箱庭は存在しないかと》
なんでも、箱庭にも守護者が存在するため重ならないようにしたいんだとか。
森の守護者と箱庭の守護者、何か相性のようなモノがあるのかもしれないな。
「……門はここにもないのか」
《そのようでございます》
「なら、もう行くか。急がないとここの森獣にもバレるだろうし」
《畏まりました》
そして俺は、次の区画を目指して全力で駆け抜けていった。
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