虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
機械皇 その03
ちなみにだが、ずっと前に天上世界と地下世界があることを言ったことを覚えているだろうか。
調べてくれた『SEBAS』によると、この『機械皇』が何かの研究をしているっぽい場所はその地下に該当するようだ。
普通の者では侵入不可能だし、『超越者』であろうとそう簡単には来れないだろう。
だからこそ、上ではなく下の方にこの場を築き上げたのだと推測される。
「あ、あの……」
「…………」
「す、すみません……」
どうしてそのようなことを考えているのかだと? 暇だからに決まってるじゃないか。
無表情モードに切り替わった少女は、いっさいの発言をせずに静々と目的地に向けて移動を行っている。
どれだけ声をかけようと、完全スルーで歩き続けていた。
それならそれで、と初めの内はこっそりと『SEBAS』にやることを伝えていたのだが、途中で伝えることも尽きてしまう。
初めて下の世界に来ているのと、海の中で長期間活動することを想定していなかったため、連絡はできるものの巨大なデータを送受信することができない──要するに、暇を潰すためのアプリや動画視聴ができずにいた。
「目的地まで、どれくらいなんでしょう?」
「…………」
「もう、いいです……」
「推定。およそ、五分後の到着となります」
諦めかけたそのとき、ついに返事が来た。
というか、むしろ俺が挫折する瞬間を待っていた気がする。
だが、そんな細かいことを気にしていては『超越者』となんてつきあってられない。
そのまま質問を続行することに。
「貴方の主と会う際、何か注意しておくことなどはありますか?」
「危惧。機嫌を損ねないよう、ご注意ください。また、無駄な抵抗を行わないように」
「……ええ、分かりました」
普通の注意事項と異なるが、変人たちの集まりなことはとっくに理解している。
その後、本当に五分経ったときに目的地となる部屋のドアに到着した。
◆ □ ◆ □ ◆
その部屋は真っ暗だった。
灯りはなぜかあるが点いたおらず、何かを入れた培養槽らしき物が仄かに光っているだけである。
「あの……ここで合っているので?」
「…………」
「あっ、分かりました」
再び無言状態になった少女に連れられ、闇の中を進んでいく。
入ってきた扉も自動で閉まったため、本当に灯りらしい灯りが存在しない。
それでも水槽が減り、代わりに奥の方で一番強い光が遠目で確認できるようになった。
目的地はそこなようで、少女はその場所目がけて歩いている。
──さてさて、いったいどんな奴が俺の会いたかった人物なんだか。
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