虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
超越者近況
始まりの街を訪れ、いつものように納品作業を行う。
その後馴染みの店に顔を出そうとすれば、会いたくない厄介事の種と遭遇する。
「久しぶりだな、『生者』!」
「…………」
無言でスイッチを取りだそうとすると、投擲された焼き串の棒でそれを弾かれる。
軽く舌打ちをしながら、新たにもう一個のスイッチを取りだすと──今度は指弾で生みだされた空気の塊にそれを弾かれてしまう。
「……チッ!」
「舌打ちをしたな! 今、しかも二回も舌打ちをしたのではないか!?」
「おいおい、せっかくの貴重な魔道具が壊れちまったじゃないか……弁償するよな?」
「普通の魔道具ならまだしも、どうして私を追いだす魔道具の弁償をすると思うか! いや、まあ……詫びはするが」
奢り、という形で店主が用意した焼き串を頬張りながら彼女──『騎士王』の話を聞くことに。
「【獣王】にも会ったようだな」
「ええ、まあ……事の成り行きでして」
「知っていただろう? 彼女の子供には、同じ『超越者』が居ることを」
「…………」
資料は『SEBAS』に任せていたので、そのすべては把握していなかったんだが……まあ、ヤー君が【野生王】であることを知らなかった時点でそこはお分かりだろう。
しかし、『騎士王』は俺がすべて分かっているという前提で話を進めていくようだ。
彼女のわりと深刻そうな顔が気になるし、そのまま聞いてみようと思う。
「呼ぼうとしても来ず、会おうとしても会えない奴。そんな『生者』を知る者は、誰一人として詳細な情報を開示しない」
「……してなかったんですか?」
「当然だ。そっちの方が面白い」
「ヲイ」
そんな餌で釣ろうとするから、皆が皆面白半分で情報を探るんでしょうが。
能力は隠しているが、それ以外はあまり隠していないのが俺である。
少なくとも外見程度であれば、あっさりと露見してしまう。
「ハハッ。だが、会えない者もどうにか会いたいと深刻に思っているわけではない。新たに加わったその新人を、手駒にするかそれとも潰すかを考えている者が多数だ」
「……ロクでもないな、『超越者』って」
「その末端こそ、『生者』ではないか。だがまあ、それはどうでもいいと考えている奴に限ってだ。ほんの僅かな情報から、『生者』の有用性に気づいた者たちは違う」
ここからが本番だな。
俺に関する(故意に)漏れた情報は──休人であること、『錬金王』と同等以上に錬金が可能なこと、魔道具が作れること、いろいろな技術を学ぼうとしていることなどだ。
「──『機械皇』。それが『生者』を招こうとする『超越者』の名である」
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