虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―
獣人国報告
「父さん、久しぶりにやるんだ。けどまあ、俺も自慢したかったからいいよ」
翔は楽しそうにそう言う。
家族会議、という形で情報交換をするのは本当に久しぶりだからな。
「私もそれで構わないけど……急にどうしてそれを訊きたくなったの?」
舞も概ね了承してくれたが、突然開かれた理由が気になるようだ。
そりゃあ俺も、突然会社で予定の確認をされて驚いたこともある……不意打ちでやられたせいで、スケジュールが狂ったり修正できたりプラスとマイナスの面を持っている。
「実はな……冒険の最中、ある国に辿り着いたんだ」
「へー、どんな国なの? あっ、俺は龍の国に行ったよ」
「私は雪の国ね。北の寒い所にあったわ」
「──まだ誰も見たことのない、獣人たちだけが集まる国」
『ッ!?』
俺が答えた瞬間、いっせいに息を呑む声が聞こえる……うちの家族、全員動物が好きな一族なのである。
飼っていないのには理由があるが、そこら辺はカットしておく。
「西の方にある国で、俺がエリアを開放したから間違いない。そこには獣耳族と獣頭族の両方が暮らしていて、【獣王】を職業として正式に持っている人も居た……兎耳の女の人だったけど」
『ふーん』
「かくかくしかじかあって【獣王】の義理の子供を拾った俺は、その子を国に届けるためにそこまで向かったわけだな。無事届けてお礼をしてもらって、最近拠点に戻ったって話なんだが……」
「アナタ、浮気ね」
違うよ!
いくらゲームの中だからって、そこまでハメは外さないさ!
まあ口が笑っているので、ほとんど冗談で言っているのだろう……目はまったく笑ってないけど。
「な、何があるかを知りたいんだ。翔や舞が今言ってくれたように、まだまだ俺の知らない世界がたくさんある。……けどさ、地図も見ない世界の分を知りたいなんて言ってもできないだろ? 本やテレビで確認しているわけじゃないし、何よりお前たち……掲示板を使えないように俺たちがしてあるし」
「パーティーメンバーが時期を考えてやってくれてるよ」
「私はソロだからやってないけど。でも、情報屋に売っているわよ」
「まあ、正直そう言う場所で情報を集めてもいいんだけど……俺が知りたいのは、お前たちがその目で見た景色だからさ。他の誰でもない、家族がどう思ったのかを知りたい」
そう纏めると、三人いっせいにため息を突き始める……いやいや、どうしたの急に?
「さすが、俺の父さんだよ」
「少し恥ずかしいけど」
「さすがアナタ──略してさすアナね!」
「いや、すまん。まったく意味が分からん」
だが三人にとっては共通の見解らしく、楽しそうに笑いだす。
俺も同じように笑えたらよかったのだが、ついていけないせいで首を傾げることしかできなかった。
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