虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
野生児 その08
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≪S5W4が解放されました≫
《初討伐報酬『銀獅子の紋章』を入手しました》
《初ソロ討伐報酬『銀獅子の守護像』を入手しました》
エリア解放者として名を刻みますか?
〔YES〕/〔NO〕
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「はい、〔NO〕っと」
今回も少しばかり悩んだが、こっちを開放したとしてもすぐにいなくなるので、誤解を生まないようにすることを選ぶ。
家でどこどこを解放した、ぐらいの話はしているし……その気になれば分かる情報だ。
「ライオンの肉って、旨いのか?」
肉食動物だから、謎なんだが……猪料理を獅子肉料理と評することがあるわけで、謎理論から言えばライオンも食べれると思う。
「というか、トビが食べれたから大丈夫か」
後で気づいたが、魔物はかなりご都合主義な存在らしく、魔力云々によって地球とは少しばかり似た動物と違った構造をしているらしく……要は食べやすくなっているそうだ。
そこら辺は、運営のアイデアだろうし俺には考える必要もないことだ。
美味しい料理がたくさん作れて、しかも未知の料理が豊富にある……この辺りだけ理解しておけば充分だろう。
◆ □ ◆ □ ◆
N5W5
「──せーじゃ、やっぱり、こっちだ!」
希望に満ち溢れた言葉を、ヤーは俺に教えてくれた。
嗚呼、東の守護獣に命をつけ狙われる理由なんて無かったんだ……。
「だいじょーぶか、せーじゃ?」
「え、ええ……嬉しくて、つい涙腺が緩んでしまいました。さぁ、ヤー君のお家に向けて歩きましょうか」
「おー!」
心なしか、俺の足取りも軽くなった。
謎はいろいろとあるが、それも俺が考える問題ではない。
ランダムで選んだ道を、ひたすら爆走するのが俺のゲームスタイルだからな。
「ところで、ヤー君の家はどんな所なんですか? よければ教えてほしいです」
「んー、モフモフいっぱい!」
「そうですか! それはぜひ行ってみたい場所ですね!」
なんと、アニマルパラダイスのような場所があるというのか。
今の今までプレイヤーがそんな情報を発信したことは……まさか、独占していたのか。
許せんな、そんな輩がいるなら。
対『超越者』用に整えた兵装、全部ソイツで試してやるからな。
なんてことを思いながら歩いていれば、時間はあっという間に過ぎていった。
──ヤーの家がある場所に着いたのだ。
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