虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
入賞
「──そして、結果が来た」
イベントの予選となる何かを稼ぐ時間は終了し、ランキングに載った者たちへメールが届く。
すでに『SEBAS』に情報を集めてもらい、いったいどんな部門があったのかはすべて把握してある。
部門とその計測方法はこちら──
・物理部門:物理攻撃による魔物討伐──討伐した魔物の数とその脅威度で判別
・魔法部門:魔法攻撃による魔物討伐──討伐した魔物の数とその脅威度で判別
・援助部門:他者援助による救済──他者に使用したアイテム・魔法の数と効果で判別
・生産部門:生産活動によるアイテム製作──作ったアイテムの数とレア度で判別
・冒険部門:活動可能区画の踏破──エリア滞在時間と名声値で判別
これが、公式サイトに掲載されていた五つの部門の計測方法であった。
「『SEBAS』、冒険世界以外の世界はどうやって活動区画を調べるんだ?」
《各世界ごと、ある条件を満たすことで区画解放が行えます。生産ならば一定以上のレア度のアイテム。魔法ならば一定威力の魔法などですね》
「なるほど、なら俺は生産世界を自由に歩けそうだな……権利はあるが、実際にそうなるのは難しそうだけど」
冒険世界に来てから、ギルド長に聞いた生産世界の話。
生産技術の優れた者が王になるという思想では、:DIY:の持ち主に自由などありえないだろう。
「──まあ、それはいいか。それよりだ……俺の元にメールが来たことに驚こう」
《おめでとうございます》
「内容はまだ確認していないけど……まあ、生産部門に入賞したという内容だろうな」
さてさて、『SEBAS』が集めたメールの内容はまだ訊いていない。
それは開けてからのお楽しみ、そうした方が興奮できると思っている。
「それじゃあ、御開ちょー……お……は?」
《どうか、なされましたか?》
「いやいや、ちょっと待て。いやまあ、分かるといえば分かるんだが……え? いや、どうしてこうなるんだ?」
《メールの内容を、拝見しても?》
「え? あ、ああ……構わないぞ」
《では……なるほど、そういうことですか》
少し見ただけで、理解してくれたようだ。
まあ、内容が内容なのですぐに分かってもらえるんだけどな──
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件名:部門別ランキング
物理・魔法・援助部門──入賞
生産・冒険部門──優勝となりました
これを祝い
称号:『闘匠』・『魔匠』・『援匠』・『巧天』・『冒天』が贈られます
これからも、EHOの世界をお楽しみください
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件名:部門別ランキング・裏
〔極一部の者だけに、これが送られます
また、このランキングは一位のみが入賞であるため、貴方が情報を開示しない限り部門そのものが発覚することはございません〕
死亡・支配部門──入賞となりました
これを祝い
称号:『死天』・『統天』が贈られます
これからも、EHOの世界をお楽しみください
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