虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
闘仙 その04
そこからはスタンガン様が八面六臂の大活躍を魅せた。
電圧を上げれば大抵の魔物は気絶するので悠々とそれを回収できる。
死亡レーダーが有るので大抵の魔物は先に見つけて先制攻撃ができていた。
「……超パッシブの相手は難しいがな」
俺が足を踏み入れ、それから敵意を持って行動を起こす魔物などは対処が大変だ。
なので、死亡レーダーとは別にドローンを使って道の先に何があるかを事前に調査中である。
小さな隙間でも超小型偵察機を使えば進むことができるためそこに何かあるならピッケルで掘り進めれば問題なし。
そう考えて探索していたわけだが――
「ついに隠し部屋を見つけた上……宝箱を発見したでござる」
小さな小部屋には、少し大き目の箱がひっそりと置かれていた。
箱の材質はダンジョンの壁と同じ石。
死亡レーダーが反応しないので触った瞬間死ぬなんて展開は無いだろう。
「とりあえず、箱を開けてみようか……先に七つ道具を試してみてから」
盗賊の七つ道具、現実世界でもそう呼ばれる道具が存在する。
とあるカードゲームでイラストを見てこのゲームをやっていく内に俺オリジナルの七つ道具を作りたくなった。
よくある──『ぼくのかんがえた○○』というヤツである。
「まずは罠看破のモノクルを使って」
モノクル型の魔道具を起動して宝箱を調べてみる。
死亡レーダーでは危険を感じなかったが、どうやら中に矢が仕込まれているようだ。
正しい方法で開錠すれば仕掛けが飛び出さないようになっている。
「なら、これだな――万能開錠の鍵」
一本の鍵を取り出して宝箱に取り付けられた鍵穴に差し込む。
途中で引っ掛かることもなく、真っ直ぐに刺さる。
横に回せばそれもあっさりと成功し、宝箱からカチャッという音が鳴る。
……え? そこは針金の出番?
いやいや、魔法という存在がある時点で普通の方法じゃ開錠できないだろう。
そういったことは職業【盗賊】や【義賊】というような存在するか分からない方たちがやってくれるさ。
魔道具の知識があってそれを創るだけの能力がある。ならばズルくとも、確実に鍵を開けられるようなアイテムを用意するべきだ。
ダンジョンで宝箱を開ける際に大切なことは、開けるまでの過程ではなく開けた時のワクワク感なのだから。
「さてさて、中身はなんだろうか……って、ハ?」
そこに入っていた物は俺にそんな反応をさせる物だった。
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