虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―
神様談
誰もいない白い場所、その領域に白以外の存在は全く無かった。
そんな中、異なる色が現れる。
「いやー、ツクル君も今回は無難な選択をしたね。僕としては、守護獣の魔核を創るところが見たかったんだけど……」
「何が無難だ。死した魂を呼び戻した時点で無難からはみ出ておるわ。守護獣の魂などという滅多に来ない代物が突然消えたことで、アヤツらがどれだけ揉めたことか」
「あれぐらい、まだツクル君の発明の中でも下の中じゃないか。別に一瞬で世界を滅すわけでも、星を生み出すわけでもないんだし、気にすることはないさ」
白と黒の色を持つ者たち、人々は彼らのことをこう呼ぶ――『神』と。
中でも彼らは上位に立つ存在、創造神と死神であった。
「……まあ、それは構わん。それより、ツクルの【救星者】を解放する件について、何か進展はあったのか」
「…………ウン、バッチリダヨ」
「まさか■■■、何もしていない、などと言うつもりはないだろうな」
「ナイナイ、ソンナコトナイサ!」
右往左往に目を動かし、死神の言葉を否定する創造神。
当然、言葉通りに順調であるとは死神も信じてはおらず、額に手を当てて一息吐く。
「そこまでアヤツらが嫌いか」
「そうさ! だってアイツら、最初は僕に自分専用のアイテムが欲しいって強請るクセにさ、いざ使えばすぐ壊すじゃん。おまけにそれを僕のせいにするし、上手く使えても語られるのはソイツの功績だけじゃん。僕が創ったって、伝承をしっかり残してくれている方が珍しいのが現状じゃないか」
創造神も、かつては自身の肩書に似合う仕事をやっていた。
嘆願する者に武器や道具を渡し、物語を進めるために協力する。
創造神のお蔭で成功した、という話はこの世界に無数に存在していた。
……がしかし、そのことを明確に記していることはかなり珍しい。
大抵の伝承において、天から授けられただの、倒した魔物から現れただのといった説明で済まされ、創造神からの授かり物だとされる品の情報は隠蔽されている。
「ふんっ! 君と▲▲▲▲ぐらいさ、僕がこうやって愚痴っていても丁寧に反応してくれるのは。直属の部下だった子も、今じゃ自分で創ったって■■を偽装するぐらいだ。本当に、僕って不憫だよね」
「話を盛り過ぎだ、そろそろ戻すぞ。今回の改変も、【救星者】の力が完全に扱えていればすぐに終わらせられていただろうに」
「…………あっ!」
「なんだ、その嫌な閃きは」
「酷いな、折角いいアイデアを見つけたって言うのにさ」
創造神は、死神に対してアイデアを話す。
死神は少々悩んだものの、最終的にそのアイデアを採用することを選んだ。
そして――◆◆◆◆が、関係各所に連絡周りに行くことが決まった。
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今章はこれで終了となります
創造神の決定とは?
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