虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
初めての称号
「……う~ん、まずはどうしようか」
翌日、再びログインした俺は何を作るかで悩んでいた。
正直『造る』とか『創る』でも誤字にならないスキルだからな、調子に乗るならいきなり創るでも良かったんだけどな(さすがにもう大人だしな)。
「でも、その前にこれを試さないとな」
気付いた時には嵌めていた手袋を見て、そう感じる。
何でもできると言われても、明確な使い方が分からないから扱いに困るんだよ。
「よし、それじゃあ早速調べるか――」
便利な手袋なんだし、とりあえず最初は手袋として使ってみるか。
……全然駄目だった。
確かに、これは万能な手袋なんだろうな。
「ああそうさ。俺も色々と試そうとしたよ――MPがあればな!」
まさかのMP必須アイテムだったよ。
1消費で発動ならまだ許せたけど、それすら不可能なヤツってどういうことだよ!
しかも、足りない分はAPとHPから奪っていくシステムだった。
その結果、俺の命はどれだけ奪われたことやら。
更にクレームを付けるとすれば――
≪称号:『命賭けの愚考』を入手しました≫
≪称号:『魔道具適性0(笑)』を入手しました≫
≪称号:『痛みをバネに(笑)』を入手しました≫
……腹立つ称号だな、コイツら。
ログを調べてみたら、いつの間にかこんな称号を入手していた。
他にも――
≪称号:『ランダムを愛する者』を入手しました≫
≪称号:『■■世界の■■者』を入手しました≫
≪称号:『神器の創造者』を入手しました≫
≪称号:『世界級クレーマー』を入手しました≫
色々と手に入れていた。
■■の称号は何も見れなかったが、他の称号には色々と記されていた。
この世界では称号は、手に入れるだけで効果があるみたいだな。
さっきの腹が立つ称号にもそういった効果がある。
手に入れた順に称号の効果を記すと――
『ランダムを愛する者』:確率が関わる事象において、最も良い結果が出やすくなる
『■■世界の■■者』:???(読めない)
『神器の創造者』:神器使用時の消費エネルギー削減
『世界級クレーマー』:言葉を信じてもらいやすくなる
『命懸けの愚行』:HPが最大時の1/4の時、確率が関わる事象において、最も良い結果が出やすくなる
『魔道具適性0(笑)』:魔道具に関する知識が必要に応じて手に入れられる
『痛みをバネに(笑)』:HP最大時、感じる痛覚を操作できる
……腹が立つスキル程、有能な気がするから余計腹が立つんだよ。
まあ、要するに今の俺は――運が良くて言葉を信じてもらいやすくて魔道具に詳しい痛覚をコントロールできる人間ってわけだ。
あれ、結構良い気がする。
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