虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
初期ステータス
見渡したその場所は黒色な世界だった。
遠くに見える何か以外には、そこには何色の物も存在していなかった。
足元の黒い地面はそういう物質なのか、土の感触を靴越しに齎している。
「……とりあえず歩くか」
あれ? こんな展開、さっきもやった気がするぞ。
「というか、ここはどこだ? 普通最初は噴水がある場所にいたり、光と共に草原に着地したりって感じじゃないのか?」
現実は、ただ何もない黒色の荒野に放り出されただけ……本当にどうすれば良いのか。
「あ、これがあったな――“メニュー”」
そう言うとピコンと音が鳴り、目の前にはUIが出現していた。
「えっと~、場所を知るなら~――“マップ”……って、は? なんじゃこりゃ」
マップにはこう記されていた。
≪現在地:■■世界.■……大陸.■…….
これ以上の情報の開示は、権限不足により許可されていません≫
「バグか? でも、それなら彼女も焦っていた筈だし……ならこの場所が俺のスタート位置なのか? DIYを頼んだのにこの世界ってことは、生産スキルだけの人は全員ここに来るのか?」
素材なんてここにあるの!? これじゃあ誰もアイテムなんて作れないだろう!
「……っと、そういえばDIYはどんなスキルになったんだ? ――“ステータス”」
そう言うと、マップが切り替わり、俺のステータスが表示された。
---------------------------------------------------------
ステータス
名前:ツクル (男) 
種族:普人Lv1 職業:なし
 HP:1/1
 MP:1/1 【スキル発動時∞】
 AP:1/1
 ATK:1 【スキル発動時∞】
 DEF:1 【スキル発動時∞】
 AGI:1 【スキル発動時∞】
 DEX:1 【スキル発動時∞】
 INT:1 【スキル発動時∞】
 MIN:1 【スキル発動時∞】
 LUC:0
【特記事項】
通常スキル
ERROR
職業スキル
なし
種族スキル
ERROR
唯一スキル
:DIY Lv1:
祝福
(◆◆◆◆の加護)(■■■の注目)
---------------------------------------------------------
「……は?」
ステータスが1or0で、スキルは殆ど無い状態。
それなのに、わけの分からない特記事項が存在している。どういうことだ?
「確か調べるには……“スキルチェック”」
その声で、今度は新たにスキルの説明文を記したUIが表示される。
---------------------------------------------------------
特殊: :DIY Lv1:
説明:■■■によって創られた異質なスキル
ものをつくるのに特化した性能を持ち、万物創生の力を所持者に与える
ただし、ものづくりを行う時以外の所持者の力を全て1にする
使用方法 by■■■
1:欲しい材料を言ってね……出現するよ♪
2:必要な道具を言ってね……出現するよ♪
3:頑張って欲しいものをつくってね♪
---------------------------------------------------------
「こ、こんなのDIYじゃねぇよ!!」
俺、間違ったこと言ってないよな?
「SF」の人気作品
書籍化作品
-
-
550
-
-
969
-
-
49989
-
-
0
-
-
24252
-
-
2288
-
-
769
-
-
40
-
-
1980
コメント