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もののけ庵〜魍魎の廓〜

尊(みこと)

色街に潜み身を売る美しき妖怪達





  買う男は極楽、売る女は地獄さね。

 遊郭ではよくこの言葉が使われる。確かに親の借金の肩代わりに幼い頃から売られ、借金を返済し終わったり、客に見初められて嫁入りという形で見揚げしてもらい、生きているうちに堂々と監視のある大門を遊女達がくぐれるのはほんの一握りにも満たない。

    性病だって蔓延していた。患った遊女が気付かず客にうつし、次は感染に気付かず他の遊女達にうつす...まさに鼠算式に患者は増える。
 遊女は症状が進むと陰部から膿を流し、しまいには鼻や指がもげ落ちる。商売価値が無くなった遊女達は、瀕死の状態に陥るまで、それはそれは安い金額で客を無理矢理とらされ、死ねば投げ込み寺に遺体を放り、無縁仏として同じような運命を辿って死んだ遊女達と一つ穴に捨てるかのように埋葬された。

 そして遊女に客を選ぶ権利はない。花街のほんの一握りの上級花魁は気に入らぬ客の相手をしなくてもいいが、多くの遊女はいかにゾッとするような客でさえ受け入れなければならない。

 しかし、そんな遊女達の無念が渦巻く花街に、借金の心配も性病の感染も、男あしらいすら憂に値せぬ遊女達がいる不夜城、遊郭がある。
 美しく、謎めいた甘美な魅力を持ち合わせ、優しいけれど不正に容赦ない、花街一の遊郭...もののけ庵にようこそ。

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