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インフルエンザに囚われたラノベ作家のパパを助けに

御社 欅

第十章 洞窟前の攻防

「気づかれた。」

向こうからこっちへ、ウィルスの一団がやってくる。

「あいつらは、上位種のようだ。」とエバンズ。

「透明化と気配を消す魔法が効きにくいの。」

黒い球形のウィルスは灰色な鎧のようなものに覆われている。

「しかも、硬く、物理系魔法を跳ね返す。」

「一気にいく。」

「リサ、大きめな火力でとっかかりを、あかりは、水系で、隙を作ってくれ。ロドリゴは、道を。」

「メテオ。」

リサが唱えると巨大な炎の塊が、天からウィルスに降り注ぐ。

「タイダルウェーブ。」

あかりの呪文で現れた水のうねりが、ウィルスを包み押し流す。

「ウオーッ。」

ロドリゴが、残ったウィルスに向かって突進し、次々と剣でウィルスをなぎ倒しながら、進んでゆく。

「ロドリゴに続くぞ。」

身をかがめ、ロドリゴの乗るリザードマンについて走り出す。

「ライトニングアロー。」

体勢を立て直して、襲いかかってくる、ウィルスに対して、エバンズが、光の矢を放つ。

それは、ウィルスに突き刺さるというより、ウィルスを一瞬にして消し去る。

もう少しで、入り口だ。しかし、体勢を立て直して、集まってきたウィルスに前方をふさがれる。

振り返ると、後方からも、ウィルスが迫ってくる。

囲まれる。

「突破するしかない。」

エバンズが、リザードマンから降り、腰につけていた棒状のものを引き抜いた。

棒の両端から光がほとばしり出て槍の長さになる。

「前の敵に強い魔法を使ってはいけない。洞窟の入り口は、もろくなっているので、魔法が当たったら崩れてしまう。」

「リサ、あかり、サポートに回ってくれ。いくぞロドリゴ。」

地面に降り立った2人が、剣と光の槍をきらめかせながら、前方のウィルスに突進してゆく。

「あかり、いくよ。」

リサが、あかりを促し、2人の後を追う。

リザードマンは、雷の魔法を唱え、後ろから迫る、ウィルスの足留めをする。

ウィルスの表面から、トゲのようなものが生え、それが、びゅっとこちらに伸びてくる。

「シールド。」

「ウォール。」

リサとあかりの防護魔法。

かつかつかつ。伸びてきたトゲの先が、魔法の盾と壁に当たる。

その影から踊りでたエバンズとロドリゴが、そのトゲを薙ぎ払う。

前方のウィルスが、少しひるんだ。

「急げ。」

エバンズが、足を早める。

しかし、ウィルスは、どんどん集まってくる。

「われわれが、ここで食い止めます。
みなさんは、先を急いでください。」

リザードマン達は、立ち止まり、あかり達に背を向けた。

「すまない。」

エバンズは、リザードマン達の背中に、声をかける。

軽く頭が、動く。リザードマン達は、無言で頷いたようだ。

「行くぞ。」

エバンズは、そう言うと跳躍し、洞窟の前に展開するウィルスの群れに飛び込んだ。

それと共に、後ろが、大きく光った。

リザードマン達が、力を合わせ、雷の極大魔法を放ったようだ。

「ストーム。」

「タイダルウェーブ。」

洞窟の入り口を背にしてリサとあかりが、魔法を唱える。

前ほどは、効かない。

蚊の群れを手で、追い払ってもすぐに元どおりになるように。

しかも、どんどん数が増える。

リザードマン達は、巧みに槍を使いウィルスのトゲをさばきながら、ウィルスを両断し、どうにか耐えている。

助けたい。

しかし、エバンズは、あかりの手をぐいっと引くと、洞窟に駆け込んだ。

「助けたい。」

あかりは、思いを口にだす。

「彼等の意思を無駄にしてはいけない。」

「転移魔法で安全なところに逃がせないの?」

あかりが口を尖らせて言う。

「転移魔法は、今、この世界で封印されている。ウィルスが、それを学習した瞬間、この世界は、終わる。その意味でも、時間との戦いなんだ。」

エバンズは、悲しそうにそう言った。

ロドリゴが、洞窟の入り口に向かって剣を振るう。

「早く、奧へ。」

リサが、あかりを促す。

ドッグワーン。ロドリゴの剣技が、洞窟入り口の天井に炸裂。

天井が、バラバラと崩れ、大きな岩が落ち地面が揺れる。

「シールド。」

「シールド。」

崩れてくる岩盤を避けながら、三人は奥に駆け込む。

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