インフルエンザに囚われたラノベ作家のパパを助けに
第五章 ペガサスの国
森には道があった。
それは、森がそこなら通っていいよと言ってるかのような細々と続く空間。
そして、誰かが過去にその地を踏み入れたかのようなかすかな形跡。
道は、時にいくつかに分岐し、時に落ち葉に覆われ途切れていた。
さらが先頭に立つ。
地図を見ることも、方位を確かめることもなく、馬を進めていく。
「さら、前に、ここに来たことあるの?」
「ううん、初めて。」
「じゃあなんで、道がわかるの?」
「道は、分からないわ。」
「えー。」
それって、ひよっとして、行き当たりバッタリってやつなのか?
「それに、ここでは、前の道はあてにならないのよ。」
「え?」
「ペガサスさん達がいる場所は、よく変わるから。」
「大切なのは、いかに最短距離で、今、ペガサスさん達がいる場所に着けるか。そして、それが、私たちが、進むべき道なの。」
わかったような、わからないような。
それが、どうやって分かるのかの質問だったはずなんだけど。
でも、私は、最近、私は地図やガイドブックばっかり、見て過ごしていた。
本当に行きたい場所さえわからずに。
「そうなんだ。」
とりあえず納得せざるを得なさそう。
幹に苔が生え、蔦の垂れ下がる木々の合間をゆく。
辺りの様子は、あまり変わらず、進んでいるのか、もとの場所をぐるぐる回っているのかさえ分からない。
「ここ。」
さらが、馬から降りる。
「ここ?」
先程と森の様子で変わったところは特にない。
ただ、少し、木が生えておらず広場のようになっている円形のスペースが目の前に、広がっていた。
他のメンバーも、馬から降り、馬の手綱を近くの木に結びつけ始めた。
作業が終わると、皆、サラのまわりに集まる。
「では、呼びます。」
親指と人差し指で輪っかを作り、それを口にあて、サラが吹き始めた。
ピィー、ピピィー、ピィー、ピピィー、ピィー、ピピ。
これ、今度やってみてとか言われたら、困るな。
試しに、指を加えてみたが、ホフェフィと空気が、漏れただけだった。
私は指笛が、苦手なのだ。
すると、羽を畳んだペガサスが、森の木々の合間を縫って、次々と広場に集まってきた。
その中の、一頭、特に美しいクリーム色のペガサスが、私の所に、近づいてきた。
私、この子、知ってる。
それ以上は、わからない。思い出せない。
たてがみを撫でる。
そうだ、この感触。
昔、この子とよく遊んだ。あれは、ペガサスのぬいぐるみを触った記憶じゃ無かったんだ。
いつからか、縫いぐるみの感触だったと、記憶が置き換わってしまっていたのだ。
そうだ、私は、この子に乗ってよく大空を駆けた。イメージが、突然、浮かんできた。
「ほんとうに、ほんとうに、久しぶり。元気だった?でも、大きくなったね。エピ。」
ペガサスは、考えれば伝わる。
それでも、つい声が出てしまった。
「あかりもね。また、会えて嬉しいよ。」
そうだ、私が、最近、空をむしょうに飛びたいという思い。
それは、このエピとの思い出に、からきてたのかもしれない。
私はしばらく、エピの首筋におでこを付けて、エピを抱きしめていた。私たちは、山を越え、海を渡り、旅をしたのだ。
「馬と荷物は、ここに置いておく。コボルトたち、留守番を頼んだぞ。」
エバンズは、そう言うと、ペガサスに飛び乗った。
「あかり、行こう。」
「エピ、また、エピと旅が出来るんだね。」
エピは、頷くと、大空高く舞い上がった。
それは、森がそこなら通っていいよと言ってるかのような細々と続く空間。
そして、誰かが過去にその地を踏み入れたかのようなかすかな形跡。
道は、時にいくつかに分岐し、時に落ち葉に覆われ途切れていた。
さらが先頭に立つ。
地図を見ることも、方位を確かめることもなく、馬を進めていく。
「さら、前に、ここに来たことあるの?」
「ううん、初めて。」
「じゃあなんで、道がわかるの?」
「道は、分からないわ。」
「えー。」
それって、ひよっとして、行き当たりバッタリってやつなのか?
「それに、ここでは、前の道はあてにならないのよ。」
「え?」
「ペガサスさん達がいる場所は、よく変わるから。」
「大切なのは、いかに最短距離で、今、ペガサスさん達がいる場所に着けるか。そして、それが、私たちが、進むべき道なの。」
わかったような、わからないような。
それが、どうやって分かるのかの質問だったはずなんだけど。
でも、私は、最近、私は地図やガイドブックばっかり、見て過ごしていた。
本当に行きたい場所さえわからずに。
「そうなんだ。」
とりあえず納得せざるを得なさそう。
幹に苔が生え、蔦の垂れ下がる木々の合間をゆく。
辺りの様子は、あまり変わらず、進んでいるのか、もとの場所をぐるぐる回っているのかさえ分からない。
「ここ。」
さらが、馬から降りる。
「ここ?」
先程と森の様子で変わったところは特にない。
ただ、少し、木が生えておらず広場のようになっている円形のスペースが目の前に、広がっていた。
他のメンバーも、馬から降り、馬の手綱を近くの木に結びつけ始めた。
作業が終わると、皆、サラのまわりに集まる。
「では、呼びます。」
親指と人差し指で輪っかを作り、それを口にあて、サラが吹き始めた。
ピィー、ピピィー、ピィー、ピピィー、ピィー、ピピ。
これ、今度やってみてとか言われたら、困るな。
試しに、指を加えてみたが、ホフェフィと空気が、漏れただけだった。
私は指笛が、苦手なのだ。
すると、羽を畳んだペガサスが、森の木々の合間を縫って、次々と広場に集まってきた。
その中の、一頭、特に美しいクリーム色のペガサスが、私の所に、近づいてきた。
私、この子、知ってる。
それ以上は、わからない。思い出せない。
たてがみを撫でる。
そうだ、この感触。
昔、この子とよく遊んだ。あれは、ペガサスのぬいぐるみを触った記憶じゃ無かったんだ。
いつからか、縫いぐるみの感触だったと、記憶が置き換わってしまっていたのだ。
そうだ、私は、この子に乗ってよく大空を駆けた。イメージが、突然、浮かんできた。
「ほんとうに、ほんとうに、久しぶり。元気だった?でも、大きくなったね。エピ。」
ペガサスは、考えれば伝わる。
それでも、つい声が出てしまった。
「あかりもね。また、会えて嬉しいよ。」
そうだ、私が、最近、空をむしょうに飛びたいという思い。
それは、このエピとの思い出に、からきてたのかもしれない。
私はしばらく、エピの首筋におでこを付けて、エピを抱きしめていた。私たちは、山を越え、海を渡り、旅をしたのだ。
「馬と荷物は、ここに置いておく。コボルトたち、留守番を頼んだぞ。」
エバンズは、そう言うと、ペガサスに飛び乗った。
「あかり、行こう。」
「エピ、また、エピと旅が出来るんだね。」
エピは、頷くと、大空高く舞い上がった。
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