死んだら神になりました

叉龍

93-偵察

『こちらホークアイ01。洋上に船舶を発見』

スーデリア王国王城地下、スーデリア王国軍中央総司令部。近代的な大型モニターに作戦行動中の偵察機を表す複数個の三角形の緑色の光が放射状に移動する。
スピーカーからパイロットの声が聞こえる。ホークアイ01は北方に行った王国開発のHMR-03偵察機(形が剣に似ているからかソードフィッシュと呼ばれる)に与えた番号だ。
この偵察機は高高度多目的偵察機(高高度の高からHigh、多目的のMultipurpose、偵察のReconnaissanceでHMR)という種の偵察機で、当然ステルス。多目的というのはその気になれば爆弾やミサイル積んで高速で目標に接近して攻撃もできるからだ。だが現在は偵察任務中なので装備していない。

海軍会議から数日。まだ王国には洋上船舶は存在しない。つまりこの船舶は他国の船だ。

「ホークアイ01洋上の船舶の画像を送れ」

『ホークアイ01了解』

直ぐにその画像が送られてくる。戦艦や巡洋艦などの軍艦ではないようだ。

『国籍不明船は現在北上中。まもなく上空通過』

パイロットから報告される。北上。きたには何かが存在するようだ。甲板の構造物から見るに、この船は輸送船。船影は1つだけ。戦時中ならば船団を組むのが基本なので少なくともこの国は戦争はしていない。

すると突然複数の偵察機から報告が上がった。

『大陸を発見。遠方に街もしくは港を確認』

そして時間差があったものの、全ての偵察機から大陸発見の報を受けた。どうやらこの大陸を中心に円形に大陸ができているということか? 残念なことに衛星がないから細かいことは確認できないが、航空写真を使ってある程度の形を把握する。やはり宇宙開発も重要だ。天体観測まではいかなくていいが人工衛星くらいは打ち上げたい。ただ、人工衛星の前に宇宙空間の観測衛星を打ち上げて宇宙空間の安全を確保しないといけない。宇宙にも魔物がいたら怖い。しかも大抵そういうやつは強い。ただ空気がないため生存できるはずはないのだが。魔力も宇宙空間には存在しない。となると完全に地球と同じじゃないといけないな。
今度技研、いや総合研究所に開発させるか。GPSがないから誘導爆弾もレーザーもしくは魔力しかないんだよな。

『戦艦発見! 画像送ります!』

どうやら誰かが軍港にたどり着いたようだ。画像を確認すると数隻の戦艦と巡洋艦、駆逐艦、空母まである。空母の甲板を見ると航空機は置いていない。おそらくは補給で立ち入った感じか。

他の方向ではまだ確認されていない。もうすでに内陸部まで入り込んでいる機体もある。

「総司令部より各機。時間だ。帰還せよ」

『ホークアイ01了解』

『02了解』

『03』

こいつらはリークド空軍基地所属。ドラゴンと偵察機で遭遇して生き残った猛者たちだ。
この前終焉の森の調査で突き進んでったらドラゴンと遭遇して、

『あの野郎男と男の勝負に火吹いてきやがったんで地面にたたきつけてやりましたよ』

あのとき武器は機関砲だけだったと思うが、その機体を整備した者たちによれば不自然に砂や葉っぱが付いていたとのこと。

まあそんな奴らだ。帰り道で墜落事故など起こらないだろう。

『こちらホークアイ01。魔力レーダーが変だ。周囲に友軍以外の魔力反応が一切ない。現在は敵の軍港付近を飛行中』

「何? 本当か? 各機確認してみてくれ」

『02もです』

他もすべて同じような状況だ。ただ、周囲の魔力は普通にあるらしい。

「01と02以外は全機帰還。01,02は低空で確認してみてくれ。すべてのレーダーの使用を許可する」

もし敵の戦闘機と戦うことになってもこの偵察機なら問題ない。むしろ敵の性能を知るいい機会だ。
しかもこっちは国籍を明らかにしていない。ちなみにこの国の国旗は、白い生地にこの国の軸となっている王族を示す金の円を中心に配置してある。日本国旗に似ているな。
空軍の国籍マークは金の丸。軍旗は金の丸の下に龍のシルエット。陸軍は剣が銃になっている。
海軍はまだ詳しいことは決めていないが、錨の中心に金の丸を置く感じにしたい。

「01、高度500を低速で飛行中」

「02同じく」

司令部内のオペレーターが報告する。俺は何もそこまで低くとは言っていないのだが…

『こちらホークアイ01。低空を飛行するも魔法反応なし。おっと、敵のスクランブル』

『02同じく』

データリンクでこちらのモニターにも赤い三角形で敵が示される。ちなみに不明機は白であらわされるようになっている。

「離脱を許可する」

『ガチンコは!?』

01,02からそう叫ばれる。この二人ドラゴンともガチンコとか言ってんだよなぁ…

「許可する。可能であれば性能の確認をしろ」

こいつらなら落されることもないだろうから許可する。
ついでに各種性能も確認させる。
この機体は高高度多目的偵察機という分類なため、ほかの偵察機と比べると視界が悪く速度は遅い。しかし、偵察機にあっていいのかというような戦闘能力がある。強度に関しては、魔力でなんとでもなるが、普通の偵察機より格闘性能がものすごく高いのだ。更に可変翼なため高速域も低速域も適応できる。形状のイメージとしてはF-14を思い浮かべてもらうといいだろう。更に推力偏向ノズルも備えているのでドラゴンにおわれている時にガクッとドラゴンの視界から消えるという荒業がある。さらにいえばこのパイロットはそんなことをやった張本人、笹井空軍大将の弟子で、空中戦はバッチリ仕込まれている。戦闘機を使った格闘戦はドラゴンを圧倒する。
リークド駐屯地所属の部隊は陸、空軍共に特殊部隊として認知されていて、事実、質実共に他の部隊と一線を駕している。隊員の称号も必ず『猟兵イェーガー』(自衛隊で言うレンジャー)の称号を持っていて、徽章は自衛隊のダイヤの部分を弾丸にして、色は銀なので徽章をシルバーブレッドと呼ぶ人もいる。更にリークド駐屯地所属部隊員は全員兵科がなんであれ、空軍であれ歩兵訓練でイェーガー訓練を受け、更に歩兵装備で、さすがに炎龍は無理だが、新生龍の討伐までする。更に終焉の森での1週間ほどの間サバイバル訓練だ。毎年年末1ヶ月半前からはリークド駐屯地イェーガー訓練をすることになっている。その最後のサバイバル訓練の目標が新生龍討伐だ。終焉の森は新生龍なんかそこらじゅうにいるから見つかりませんでしたはない。この訓練を終えた者には金のイェーガー徽章ゴールドエンブレムを授与される。

『ようやっと奴さん来たぜ。さあガチンコだ!』




最近文字数増えましたかね?

イェーガーはドイツ語で猟兵や狩人(Jäger )を意味するらしいです。
なんかドイツ語ってかっこいいじゃないですか?
これ知ったの実は進撃の巨人のオープニングの『紅蓮の弓矢』なんですよね…
本当にどこに知識が隠れていることやら。

それでは次回も楽しみに




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コメント

  • ノベルバユーザー324232

    話の内容の展開が早いように感じます。それと、セリフばっかりに見えるのでそこを改善出来ればもっと面白い作品になると思います。すみません、コメントが上から目線になってしまって。最後に、内容は面白いのでこれからも頑張って下さい、応援しています。

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