死んだら神になりました

叉龍

82-奇襲

『こちらティーガー01。敵の撃破に成功』

『こちらパンター01。同じく敵を撃破』 

「ドラッヘ01了解。敵を殲滅し両翼から敵本隊を攻撃せよ」

ついでに後方の安全確保のために後方にも偵察を飛ばしておく。
やけに敵の撃破が速かったし、ここまでして背後をとられていないと考えるのは難しい。
念のために飛ばしておく。

「前方に鳥の群れ。数不明」

「爆裂術式用意。各自発砲」

いちいち指示を出すのもめんどくさいからほぼすべて各自判断に任せることにした。
そうなるとなぜわざわざ階級とか隊長だとかがいるんだという話になるのだがそれは置いておく。

『こちらドラッヘ02。敵のオークキング5体とオークロード10体。
こちらで対処可能』

「01了解。敵部隊を殲滅したのち後方の安全を確認し次第本隊に合流せよ」

『02了解』

やはり後方にも敵が配置されていた。
ただこれはキングとロードだけで構成された少数精鋭部隊なので内部の撹乱、もしくは工作兵的な部隊であろうと推測される。
工作兵にしては体がでかくてばれやすいし撹乱といっても殺されるだろうから特攻兵かな。
そんなことを考えていると02――コウが戻ってくる

「こちらドラッヘ01。各隊に通告。
これより敵部隊の掃討作戦を開始する。
各隊は所定の行動を開始せよ」

事前の打ち合わせなんかしていないが、さっきまでの指示を考えたら動けるはずだ。

『こちらパンター01。敵左翼の撃破に成功』

『こちらティーガー01。同じく敵右翼の撃破に成功。敵後方に回り込みパンター大隊と合流する』

「ドラッヘ01了解。包囲網を形成し敵の殲滅に努めよ」

どうやら意図は伝わっていた。砲兵隊による砲撃も始まっているし、空軍による爆撃も始まっている。
こういう場面になると爆撃機はB-1よりも圧倒的搭載量を誇るB-52がほしくなるな。

「大隊爆裂射撃用意。邪魔な木をふきとばせ」

航空機による爆撃は絨毯爆撃にしているが、少しでも命中率を上げるためと視界の確保のために邪魔な木をふきとばす。まあなんということでしょう。空中の戦車たる航空歩兵が伐採機械へと早変わりしてしまいました。本当に使い方次第でなんにでもなるな。
おっと。どうやら包囲網が完成したようだ。
範囲に対して人数が少ないため人と人との間隔が広くなってしまうのと、視界を遮る木があるためいくらかは逃してしまうだろうが、それでも敵は壊滅するだろう。
あとは定期的に訓練とかで残った魔物を排除していけばしばらくは大侵攻なんておこらないだろう。
まあ排除より繁殖が上回ったら大規模な掃討作戦を必要としてしまうが。
まあある程度木は吹き飛ばして進んでいるため視界の確保もだいぶできているし、早々すぐに二回目の侵攻は起こらないだろう。

「地上からワイバーンの群れ! 数不明!」

地面を覆っていた木が揺れたかと思うと、すごい勢いでものすごい数のワイバーンが飛び出してきた。
幸い、自分たちの足元の木はすべて吹き飛ばしてあったので、真下からの攻撃はなかった。
それでも完璧な奇襲攻撃だ。俺たちはすっかりワイバーンは空から攻撃を仕掛けてくると思っていた。
しかしよく考えればわかることで、いくらワイバーンといえ、生物である以上永遠に空中で羽ばたき続けるのには無理がある。体力には限界があるのだ。疲れれば地面に降りるし、眠るときは巣に帰るのだ。

「ブレイク! ブレイク! 発砲を許可する! 任意に発砲せよ! 魔法の使用も許可する!」

いくら強いとはいえ、完全な油断からの奇襲攻撃。加えて数の暴力。一体だけでも奇襲は相当な効果があるのに、この数。いかに個人が強かろうと、圧倒的物量には勝てない。それは第二次世界大戦中のドイツが物語っている。いかに強力な戦車があろうと、物量で押してくる敵には対処しきれない。
しかし、ドイツ軍は小規模の部隊で多くの敵を屠ったこともまた事実。
つまり、『兵器の技術』と『技量』で圧倒的優勢があれば物量相手であっても勝てるということだ。
そう。目の前の光景がまさにその通りなのだ。
すぐに散開した俺たちが起こした行動は一つ。攻撃だ。
爆裂射撃の全力射。俺を含め中にはMGで全力射をしている奴がいる。
俺たちには圧倒的な『兵器の技術』『技量』そして、『弾幕』という『物量』がある。
すべてにおいて敵を圧倒している。ただ敵に負けている点は二つ。
一つ、完璧な奇襲で先制攻撃をとられた。
二つ、散開したところを敵が通り抜けたため――

「魔法攻撃! すぐ接近されるぞ!」

敵に高所をとらせていまったこと。
上昇した敵はその場でターンし、こちらに向けて魔法攻撃を行い、突っ込んでくることなく上空に逃げる。
しかしまあ、あれだ。こちらの弾幕は敵を壊滅させた。
結果的にはこちらの勝利になったが…まるで人間のような知能を思っている。
実力だけでなく頭もいい敵というのはとても厄介極まりない。しかもワイバーンを従えていたらしき炎龍はもう殺したため誰が操っているのか気になるところだな。



ゴールデンウィークなのでもう1つ投稿しました。

それでは次回も楽しみに

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