死んだら神になりました

叉龍

79-炎龍

「第一特殊即応連隊総員集結完了。
第101飛行中隊はスクランブル待機中。いつでも出れます」

転進命令からおよそ二日。魔物の大規模侵攻に備えるため第一特殊即応連隊が鬼人の国に集結を完了した。F22ラプターもB1爆撃機もスタンバイ。全員機甲アーマーを着用してヘリや自走砲も持ち込んで完全装備だ。いざとなったら駐屯地に立てこもる。鬼人族も駐屯地へ避難させている途中だ。

「昨日から散発的に敵が襲撃をしてくる。陣地の構築も完了している。
まあ陣地を使う機会というのはそこまでないと思うがな」

村の柵の周りにあった堀を利用して塹壕を作ったりとか土嚢を集めて自走砲の隠ぺいだとか。
あとは許可を得て森を数キロくらい焼き払った。視界の確保が主だ。
そういえば塹壕を作っても意味がないことが判明した。
この連隊には歩兵がいない。航空歩兵しかいない。
航空歩兵は空中での機動戦闘を主とした部隊で、機動防御を主とする。
籠城よりも打ち出る部隊なのだ。そのため塹壕は使わない。まあなんということでしょうか。
あの労力はすべて無駄となったのでした。

「敵襲! ゴブリン騎乗手ライダー一個小隊規模!」

バカなことを言っていると敵のハラスメント攻撃。いや威力偵察? が始った。
例のオオカミに乗ったゴブリンが一個小隊規模。だいたい25組のゴブリンとオオカミ一組で二人扱いにしてある。きのうからこいつらの襲撃が激しすぎる。三交代でローテーション組んであるが、俺は指揮官。休暇はほとんどつぶれている。

「スクランブル!」

「待機中の組が出撃! 現在交戦中」

機甲があるため弾数は問題がないが、魔石は売ると金になるのでこれは換金してボーナスにしてやろう。

「交戦の終了を確認。損害ゼロ。魔石を回収して死体を焼いて帰還します」

そしてアンデッド化を防ぐために死体の処分を怠らない

「了解」

昨日くらいから一時間おきくらいに襲撃が来ているのだ。

「レーダーに感あり! 敵の集結地に巨大な魔力が接近しています!」

「付近に哨戒機は!」

哨戒機といってもAWCSなどの早期警戒機の類は持っていないため普通にラプターを飛ばしてる。
確認をしてもらっても十中八九ドラゴンだろうが。

「確認します! スカウター03がいます。通信をつなげます」

「了解。スカウター03。こちらHQ。付近に出現した未確認飛行物体アンノウンを確認せよ。座標を送る。送れ」

『こちらスカウター03。座標を確認。現在雲中につき視界不良。およそ30秒後にコンタクト。送れ』

「HQ了解。通信終了」

十中八九ドラゴンだが、間違っていたらそれはそれで問題だ。
念のため確認させておく。

『こちらスカウター03。指定ポイント付近で未確認飛行物体と思わしき生物を発見。
ドラゴンです。炎龍です。かなり若いと判断。送れ』

ここで龍のことについて説明しておこう。
神龍
邪龍
古代龍
 炎龍
 水龍
 風龍
 雷龍
 聖龍
 黒龍
成龍
新生龍

神竜は神に仕える龍。邪龍は邪神に仕える龍という区別になっていて、実力差はほとんどない。
古代龍は数千年くらい生きている龍で、成龍が様々な能力を持つことによって進化する。新生龍は幼体のようなものだ。

龍とは圧倒的な存在であり、さらに炎龍ともなれば気性が荒く古代龍の中でも危険度は上位にある。古代龍でも歳を重ねていたら言葉を理解し話すこともあると言うが、老齢の古代龍なんか稀だ。いや、そもそも龍自体稀だ。
何れにしても、討伐するしかない。

「HQ了解。スカウター03は帰還。すぐに攻撃隊を送る。通信終了」

斬首戦術は万能だ。危険な芽は早いうちに摘み取らねばならない。

滑走路で待機中だったF22に対空ミサイル搭載してドラゴンに向かう。
ちなみにステルス機能は魔力のレーダーには無力だったので普通にミサイルを満載にしてある。

『ドラゴンを発見。攻撃を開始する』

空対空ミサイル12×4の計48発が同時に発射される。

『全弾命中を確認…ブレイク! ブレイク!』

全弾命中した。その後パイロットの叫び声。
奴はまだ死んでいない。

「こちらHQ! サンダー応答せよ!」

『こちらサンダー01。敵のブレス攻撃。被害なし。
目標いまだ健在。しかしダメージは与えられている模様。機動力が目に見えて落ちている』

「HQ了解。基地へ帰還せよ」

『了解』

空対空ミサイルは対艦、対戦車と比べて威力が低い。その空対空ミサイルでダメージを与えたのだからまあいいだろう。
次は機動力も落ちていることだし対艦ミサイルでも…あっ…

「SM6のこと忘れていた…」

俺が駐屯地を作る際に足りていなかった防空能力を無理やりつけるためSM6を配備していたのを忘れていた。

「ちょっと駐屯地に飛んでくる。敵が来たら今迄通り対処してくれ」

そして俺は、対ドラゴン兵器SM-6を起動すべく駐屯地へ向かった。


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