死んだら神になりました

叉龍

72-状況開始

「状況開始!」

『状況開始!』

合図で作戦を開始する。
今回は中隊ごとではなくそれぞれが三個に別れ、すべての部隊が合わさるようになっている。
各部隊ごとにそのまま使うことも考えたが、それだと戦闘能力に偏りが出るため止めた。
今回は一週間滞在して休暇に入る予定だ。

「第一部隊はポイントαに向かう。
特殊航空歩兵が偵察、遊撃を担当する。今回はあくまでも調査だ。無茶な戦闘は控えろ。いくぞ」

三部隊に別れた俺たちは、山脈に沿って左右に行く第一部隊、第二部隊と、森林中央部に向かう第三部隊と別れた。俺たちは山の麓を進んでいく第一部隊となった。

「非装甲依存行動か…これはこれで地力が上がるからいいな。おっと、こちらドラッへ11、こちらドラッへ11。オークの集団を発見した。ノーマルが8、ハイが3。繰り返す。ノーマルオークが8、ハイオークが3だ」

ドラッヘは第101特殊航空歩兵大隊に与えられたコールネームだ。
第101航空歩兵大隊をティーガー
第102航空歩兵大隊をパンター
第101機械化砲兵大隊をホルン
第101空輸中隊をシュトルヒ
第101飛行中隊をアードラ
上から順番にドイツ語で竜、虎、黒豹、サイ(ナースホルン)、コウノトリ、鷲を表す言葉にした。まあなんとなくだ。
ちなみに第一部隊は十の位が1から始まって、第二部隊が2、第三部隊が3から始まるようになっている。
ティーガー、パンター、ホルンは10人ずついるため一の位が0から始まる。

『HQ了解。直ちに向かう』

HQは三分割した部隊のそれぞれの本部を表している。
今回は集団戦闘を行うので敵を見つけたら部隊単位で討伐することになっている。
1つの部隊に43人がいる。全ての事態を、1週間、この43人でこなす。戦闘から野営。歩哨なども全て。

「全員集まったな。初戦から大物だ。
奴らの皮膚にこの銃が効くのか。そいつを探すのが任務だ。皮膚が貫通しなかったら関節や目などを狙っていけ。戦闘職種でハイオークを叩く。あとの8体を残りとティーガー、パンターからも2,3人出してくれ。よし、行くぞ!」

そう言って一斉に襲いかかる。
と言っても、銃なのでそれぞれに狙いをつけ撃ち始めるだけなのだが。

パパパッと、3連射が複数回続く音がする。何しろ携行弾薬は限られてくる。できるだけ節約しないと1週間も持たないのだ。最悪銃剣や火で戦う羽目になる。弾は360発が直ぐに装填出来るようにしていて、背嚢にも360発が入っている。
手榴弾4つとさっきの720発が通常の装備で、銃が聞かないという事態に備えるために110mm個人携行対戦車弾(LAM)を持っている兵もいるし、MG3もドラッヘ隊とティーガー隊と配備している。LAMは俺とアードラ隊に配備されていて、体装甲生物用。いるかどうかは不明。MG3はオークなどに有効だろうと思って持ってきていた。ちなみにそれらを持っている人も89を持っていたりする。携行弾薬は少ないが。
俺はMGもLAMも持っている。正直重い。

「こいつらの皮膚は通らない!   MGを!」

オークはなんとかなったようだがこっちのハイオークが89を受けても平然としている。
今回は実験なので色々と試す。

あっMG持ってんの俺だった。

「一旦離れろ!   こいつを使う!」

全員が離れたのを確認して撃ち始める。分間1150発。1秒間におよそ20発を発射するため弾の消費は激しい。

「oh…」

奴らの足とかが千切れ落ちてる…まあ一体生きていたから89の攻撃が目に効くかどうかだけ

「まあさすがに眼球には効くわな…」

呆気なく絶命。いや、これで生きていたら怖いな…

「さて…諸君。今日の飯を確保したぞ!」

携行食? そんなん持ってきてねえな!
完全サバイバルだ!
空挺降下してから飯がなくなった! なんてことがあってもこれなら生きていける。

「オークの肉だ。美味いと思う。上位種がいればなー」

オークの肉は美味いことで有名。力の強い個体ほど上手くなってくる。貴族が大量にオーク討伐の依頼を出すほどだが、オークは力が強いためそう市場に出回ったりはしない。

「一度開けたところまで移動する。これを持っていくぞ。何往復かする羽目になるな」

「了解」

初日からオークという贅沢をできるとは幸先がいいな。遭遇しなかったら最悪の場合草を食べるはめになっただろう。

「見通しのいい山の斜面に行くぞ。解体もそこでやる」

山は上からの攻撃が危険だが、見晴らしがよく、敵の接近に気が付ける。
一週間もあるからしっかりと睡眠をとっておかなければならない。

「往復して数回に分けて運ぶ! MGとLAMを持っているものは周囲の警戒と支援を!
向こうについたらMGは拠点防御のために待機、HQもそこに置く! いく――」

「ゴブリンが接近中! 数は3。斥候です!」

ゴブリンでは狩れない圧倒的強さを持つオーク。しかしその肉は美味いということは奴らも知っている。
そんな肉の匂いを嗅いだら寄ってこないはずがない。今はそれを確認するための斥侯。

「確実に殺せ! 本隊に戻らせるな!」

斥侯を返せばオークの肉が転がっていることを奴らに教えてしまう。
オークより圧倒的に倒しやすい人間。奴らは総攻撃をかけるだろう。

「クリア!」

「クリア!」

「クリア!」

「斥侯の排除が――」

ガサッという音がどこかから聞こえた。

「四匹目、か…」

長い長い大規模な防衛が始まる

「死んだら神になりました」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く