死んだら神になりました

叉龍

70-猿、再来

「コウ! 一度ならず二度までも!」

「仕方ねーだろ! こんなことになるなんて知らなかったんだよ!」

現在奴らに追われている。
また、コウの奴だ…またギルドの依頼後の帰り道で…

「なんで俺たちだけ!」

「違うぞ! 奴ら、ピンクモンキーじゃない! ホワイトモンキーだ! 奴らオスも男を狙ってくるぞ!」

男にとっては恐怖でしかないホワイトモンキー当然メスも男を狙ってくる。
オークやゴブリンが女性の敵というのならばホワイトモンキーは男の敵、いや、それ以上かもしれない。
奴らは男どもに恐怖を植え付け、野営中に襲われたものは帰ってからも夜眠れず、ぶっ倒れることが多いという。俺も何度も襲われた。奴らは群れを成しているが、基本的には一体で行動し、獲物おとこを見つけたら仲間を呼ぶ。以前遭遇した場所は終焉の森。あそこは魔物の強さが段違いだ。そしてそんなところにいるホワイトモンキーはとても凶悪。軽く百を超す軍勢に思わずなにも制御せずに閃光を使ってしまった。
ただの下級魔法と侮るなかれ。ほぼ最大出力の閃光は膨大な熱エネルギーへと変換され、あたり一帯を焼き尽くしてしまった。それは原爆など比にならないとだけいっておこう。その後森の主であるアンノウンからめっちゃ怒られた。

「囲まれたぞ!」

「くそっ! 10体ならまだ突破でき――」

「どんどん増えてくぞ!」

まずい! このままでは精神崩壊が!

「上だ! 木を伝って逃げろ!」

くそっ! 

「全員無事か!? このまま突っ切るぞ!」

「了解!」

俺たちは枝から枝へ、どこかの忍者のように飛んでいる

「奴ら追ってくるぞ!」

「振り切れ!」

さすがに猿なだけあって速い。しかしこちらも追いつかれるわけにはいかない。

「右から突っ込んでくる!」

「上に飛べ!」

「上から来るぞ! 気をつけろ!」

「左右にかわせ!」

「後ろからすごい速さで!」

「上の枝に移れ!」

現在はアクションゲームのように飛び回っている。

「親方! 空からモンキーが!」

「誰が親方だ! 前方へ飛べ!」

まるで砲撃にさらされているかのように上から降ってくる。

「左に集団!」

「右に方向転換!」

「今度は下から!」

「跳躍でかわせ!」

俺たちは何とか持っているが、後続の女子三人は相当疲れている。
いや、ケレセスはまだ大丈夫そうだ。

「また左に!」

「右に方向転換! くそ! 誘導されている!」

「右から吹っ飛んでくる!」

「地面に降りて走れ!」

「おい!  右を見ろ!」

「な!  上位種だ!」

コウの声につられて右を見るとゴリラのようなホワイトモンキーの上位種がいた。

「ピッチャー振りかぶって…投げたぁー!」

「避けろぉぉぉぉ!」

上位種がホワイトモンキーをこちらに投げつけてきた。さっきから飛んできていたのはこれだったようだ。

「時速180kmは出ていましたねー。
おっと、ピッチャー第二球、投げたー!」

「コウ実況やめろぉぉぉ!」

だんだんと威力が増してくる。
着弾した木がへし折れる程に。

「あっ」

後ろにいたクラリアとサラが足場にした木に着弾し、衝撃で2人が吹き飛ばされてしまった。

「大丈夫か!?」

「なんとか…」

「一旦そこの茂みに隠れるぞ!」

着地した時に上手く受身をとったようで怪我はなかった。

「集まってきたな…」

「ああ…」

茂みに隠れ、上手くやり過ごすということを繰り返しながら進んでいく。
この森は今度殲滅しなければいけないな。

「右に3体」

「大丈夫だ。このまま進む」

「なあ…ジン。
誘導されているよな」

「ああ。この調子だと…上位種の場所だな…」

「なんとかして抜け出さないとな…」

「!  上だ!」

「バレたか!」

「いや…元からバレていたんだろう。見ろよ…」

視線の先には開けた場所があった。大群で襲うにはかなりいい場所だろう。

「ホォッホォホゥ!」

また奴らの独特なリズムの声だ。
恐らく作戦決行の合図だろう。

「ちっ、誘い込まれたか…」

やはり広場に出てしまった。
しかも周りにはホワイトモンキーの大群ざっと100はいる。

「ボスまで来やがった…」

「ホホッホッ」

目をハートにしてじりじりと間合いを詰めてくる。

「やむを得ないな…総員、銃の使用を許可する!」

「ホォォォォォォォ!」

「撃てぇぇぇ!」

銃の乱射。俺たちの放つ銃弾が100余りの敵を薙ぎ倒していく。

「終わった…か…」

「ああ…」

「死んだら神になりました」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く