死んだら神になりました

叉龍

閑話-NW2 8

「各個照射せよ!」

皇帝の命令により皇城への照射が始まった。

「やったか!?」

「この威力一発では無理です! 小規模なものを連続で使用すればいけます!」

この『いける』は5発程度を撃ちこめば皇城は破壊されるという言葉だった
しかしその希望は続く報告によってかき消された。

「報告します! 敵が大規模な障壁を展開!
防がれています!」

「魔力の供給がおいつかなくなってきています! 魔石の在庫が!」

「ええい! 地下の魔力脈から吸い取れ!」

「それでは住民の魔物化が!」

魔力脈から魔力を吸い取れば空気中の魔力が不安定になり、
魔力の供給ができなくなる人間と魔力を過剰摂取してしまう人間がいる。
過剰摂取した人間は魔物化してしまうということが、このレーザーの実験中に判明した事実だ。

「構わん! それで敵の混乱も招ける!」

戦時国際法など存在しないこの世界の戦争に市民がどうこうは関係がない。

「出力を上げます! 魔力の過剰摂取に注意してください!」

魔力の過剰摂取の注意を促す警鐘が鳴る。

「まだ破れんか! 最大出力ではできんのか!」

「現在少しずつ貯蓄中です。間もなく撃てる様になります!」

「あの障壁…まだ保っているのか…相当な魔力量を保持しているな…」

「まもなく最大出力になります! 衝撃に備えてください!」

レーザー群による最大出力での攻撃が始まる。

「5秒前! 4! 3! 2! 1! 照射!」

空気が震え、大地も震える。
最大出力のレーザーは敵にだけではなく、司令部にも衝撃波をもたらした。
新兵などはその衝撃で気絶する者もあらわれ、ものに掴まって立っているのがやっとの者もいた。

「やったか!? だれか! 報告をしろ!」

「は、はい! 敵の沈黙を…一枚…障壁が一枚残っています!」

皇帝の声に反応した兵士が皇城の方を向いて驚く。

「第二射は! 速く撃て!」

「現在装填中です!」

「誰か! 単眼鏡を貸せ!」

皇帝はそういって近くにいた兵士から単眼鏡を奪った。

「くっ、あれを耐えきるか…ん?」

「陛下? どうなされましたか?」

「あの障壁…先ほどまでと質が違う…」

「はっ?」

皇帝の言葉に、そばにいた兵士はわけが分からないと言う風に返す。

「確認しろ!」

「た、確かに…先ほどまでよりも損耗率が低いですね」

「次はいつ打てる! 敵は弱っているぞ!」

「はっ? 陛下、敵は強くなっているのでは?」

「わからんかね? これほどの攻撃を受け回復だと? 無理に決まっているだろう。
おそらくあの強い障壁は先の攻撃で敗れた。そして複数の障壁を使いあの法撃を防ぎ、残ったのがあの障壁ということだろう。ということは第二撃には耐えられない」

安全地帯に避難し、自分たちに勝機があると判断した皇帝は冷静だった。

「は、はぁ…」

それに対し、兵士はいまいちよくはからない、という表情をしながらも観察を続ける。

「間もなく装填が完了します!」

「よし! これで勝てる!」

皇帝はそう確信した。
しかし、彼らは一つの存在を忘れていた。いや、知らなかった。

『航空戦力』雲より高く飛ぶそれはドラゴンのよう。

「陛下! 空よりドラゴンが!」

実際にはドラゴンなどではない。
しかし彼らは知らない。

「規模は!」

「複数です! 隊列を組んできます!」

「何!?」

あわてて皇帝が空を見上げる。

「鉄の…龍…」

「彼の国龍が飛び立つ。
現れし鋼鉄の龍隊列を組み我が国を滅ぼす。
龍の名はアクテリア」

誰かが国に伝わる伝承を呟く。

「陛下! どうなされ――」

消えていた。皇帝と皇太子の二名が消えていた。

「逃げました。もうあの男には王位というものはないでしょう。
全員退避してください。ここを放棄し、敵に投稿します」

そばにいた皇妃カーニャ=ベルツェが指示を出す。
皇妃はここで自分が逃げていたらこの戦争が終結せず、皇帝についていても殺されるだけということがわかっていた。

「総員退避! 退避!」

各法台に警報が流れる。

「全員脱出できたか!?」

「脱出できました!」

「爆発するぞ! 伏せろ!」

直後、一列に並んでいたレーザー砲がすべて爆発。更地にさせられていた。

「危なかった…素晴らしい判断力でした…」

その後、皇妃が降伏し、戦闘は終了した。

-軍港-

「オルター=スーヤード! 貴様何処へ行っていた!」

山脈を越えたところにある港には、駆逐艦が止まっていた。

「おや陛下。私は自国へ帰るところですよ?」

そこにはオルター=スーヤードがいた。

「貴様この技術が欲しくないのか!?」

「いらないですよ。負けた国の技術なんて。
それでは、さようなら」

オルター=スーヤードはそういって皇帝と皇太子に拳銃を向けた。



あけましておめでとうございます!
まあ新年だからと言って何かするわけでもないのですが、四週間後、2月1日は投稿開始から一年の記念日です! まあ一話の最終更新日が2月1日なのでずれているかもしれませんが、まあ二月一日ということでお願いします。
2月1日から三日間、日曜日まで三話連続投稿を企画しています。
三話連続投稿を楽しみに待っていてください!
今年も「死んだら神になりました」をよろしくお願いします!





「死んだら神になりました」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く