死んだら神になりました

叉龍

閑話-NW2 7

-皇都-

皇国軍が大敗を喫したその日の夕方、いまだに皇都に報告が届いていなかった。

「だ、第六砦より報告です! 奪還作戦は…失敗しました !」

「何!?」

待ちわびた報告。
しかしそれは期待していた報告と、いや、確信していた報告と正反対の報告であった。

「奪還のために派遣された地上軍が殲滅! 前線からの情報も途絶えました!」

「殲滅? 壊滅の間違いでは?」

「いえ! 帰還者は居ません!」

「飛龍騎士団は!」

「間もなく皇都に到着します!」

「到着し次第騎士団長を呼び出せ! 極刑にしてやる」

「は!」

「くそ! 飛龍を使う作戦は失敗だったか…あれほどのコストをかけたのだぞ…」

本来ならば、新設された飛龍騎士団は圧倒的強さを誇るはずだった。
しかし、黒竜騎士団の存在は、それをさせなかった。
もし黒竜騎士団の存在がなければこの飛龍騎士団は空を支配し、陸をも支配していたことだろう。

「偵察はどうなっている」

「新しい偵察兵が任務を遂行中です」

「敵の現在地を報告しろ」

「はっ! 確認してきます」

そういって伝令役の兵士は去っていった。

そして伝令兵が戻ってくるまでの数分の間、会議室内には重苦しい空気が流れた。

「飛龍にも勝る部隊だったとは…」

「次の策を考えねばならない。やはり広域レーザーを使うしか…」

「陛下、おそらく敵は第五砦まで進行してくるはずです。敵が第五砦に入ったら打てるように照準をつけておきましょう!」

「よし、早速取り掛かれ」

「報告します! 現在の速度だと明日の昼ごろ第五砦に到着します!」

「かかったな! 第五砦にレーザーを合わせろ! 偵察兵は監視を続けろ!」

「はっ!」

皇帝としては珍しく、先を読んだ行動をした。

「して、王国の後続部隊はどうなっている?」

「はっ、現在スタンドに三個騎士団規模の兵力が集まっています。
すべて王国の者だと思われます。
そして教国の方ですが、まだ兵力を確認できてはいませんが魔族、エルフ族、王国からなっていた三国同盟に加盟。それに伴い三国同盟から名称が大陸連合と改名されました」

「連合などを組んだか…騎士団に魔族やエルフ族などはいないのだな?」

「はっ! 確認されていません」

「第五砦に撃ち終ったらすぐにスタンドに合わせろ。それと西方軍、東方軍の侵攻プランも組み立てておけ。まずは敵のさらなる増加を防げ」

「はっ」

西方、東方軍の侵攻プランに対する会議は、翌日の昼にまで及んだ。

「ですから! 全軍でもって関門を制圧し! 敵の背後を付けば!」

「それでは先に敵が左右に回り込んだらどうするのだ! それに! 関門の状況を把握できていないのだぞ!」

「ならば崖を切り落として関門をつぶせば!」

「それでは反攻に転ずることができないであろう! ここはまずスタンドにいる敵をやってから…」

会議はずっとこのような形で行われていた。

「貴様ら…命令は敵のさらなる増加を防げという命令だ。攻勢に出るなどということは二の次だ。
ここは関門を崩すのが先だ。周囲の崖を切り崩す。それならば少数で行けるだろう。
その方針でプランを――」

「敵が第五砦まで到達しました!」

報告兵が会議室に飛び込んできた。

「結果は!」

「成功です! 第五砦とともに敵の消滅を確認しました!」

「よし! スタンドに照準を合わせろ! 西方、東方軍はスタンドの敵の移動を防げ! 関門は作戦どうりにつぶせ!」

「はっ!」

皇国は国内にいる敵を殲滅させる作戦を立案していた。
しかしそれは第五砦までの駐屯騎士団から増援の数個騎士団までを全滅させた敵を排除できていることで
立案が進められていた。

そして付近まで進軍していた部隊が、敵を突破させまいと動いたその時だった。

「報告します! たった今、すべての砦の倒壊が確認されました!」

「何!?」

「いつの間に!? まだあの部隊と同じ部隊が残っていたのか!?」

「じょ、上空に敵です! 規模は二個増強中隊規模!」

「陛下どうなされ…!」

「おい! 陛下はどこに!?」

決戦を前にして皇帝が忽然と姿を消した。

「皇族が誰もいません! 使用人によるとつい先ほど陛下が連れて行かれたと!」

「くそ! あのくそじじいが!」

皇帝が消えて場内が浮足立っている子の間に敵からの勧告があった。
当然、そんなことに応えることができない。
数秒後、ものの落下音とともに場内に爆発音が響いた。
天井が崩壊。その衝撃により、場内にいた殆どの人間が気絶した。

-皇国 レーザー群司令部-

「二クス=アナハルム指令はいるか!」

「へ、陛下!? なぜここに!?」

城から姿を消した皇帝たちはレーザー司令部に来ていた。

「レーザーを皇都に向けろ!」

「陛下!? 何をおっしゃっているのですか!?」

「皇都は敵に占拠された! 敵の基地だ! 各個撃ち始めるんだ!」

「だめです陛下!」

「ええい! だれかこの物を捕らえろ! 反逆罪だ!」

そばにいた二人の兵士が二クスを取り押さえた。

「命令だ! 各レーザーは皇城に照準を合わし、照射せよ!」

「だめです陛下! おやめ下さい! 陛――」

二クス=アナハルムに向かい、皇帝の剣が降られた。

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