死んだら神になりました

叉龍

閑話-NW2 5

「作戦はどうだ」

「いえ、まだ連絡が来ません」

夜襲作戦開始から30分が過ぎた。
そろそろ報告があってもいいころだ。

「いったい何をしている…まさか!」

「来ました! …は?」

「どうした? 何があった?」

「はっ、いえ…その…敵が確認できなかったと報告が…」

「何? 外からは敵が見えるのだろう?」

「はい、変わりなく見えています」

「まさか! 隠蔽魔法か! 出撃の用意だ!」

実際にはジンたちがいなかったわけではない。
しかし襲撃犯は記憶を消され、任務は失敗していた。
そんなことが知れたら自分の首が飛ぶと思った兵士は『敵がいない』と、虚偽の報告をしていた。
そしてそれを信じた指揮官は偽装魔法で偽装されていて、人はいないとおもいこみもぬけの殻となった第一砦を取り返すために出撃しようとした。

「引き続き偵察をしておけ! 他の者は出撃用意だ! 急げ!」

-皇都-

「偵察兵より報告です!
第一砦に敵を確認!」

「よし! 広域レーザーを撃たせろ!」

「いえ! 続報があります! 内部には敵影なし! 大規模な偽装魔法を使用していると思われます!
現在、終結を終わらせた部隊が侵攻を開始しました!」

「…後続を用意しておけ」

「は!」

-第三砦-


「そろったな。それでは本作戦について簡単に説明する。
本作戦には戦闘は考慮されていない。
事前情報によれば敵は確認されていない。
しかし敵は大規模な偽装魔法が使える強敵だ。
敵の伏撃に注意しつつ龍騎兵を上げ侵攻する。
第一砦を奪取し、そこを拠点として撃滅作戦を行う。
我々は正義だ。進め正義の兵たちよ!」

ここ第三砦から第一砦までの間は死の荒野が続き、逃げることも隠れることもできない一本道である。
敵の伏撃など通常はあり得ない。
死の荒野にわざわざ入っていくものはただのバカとされる。
ゆえに伏撃はない。当然の考え、いや、常識だ。が、しかし、現代知識を使い落ち着いて行動すれば何の問題もない。
しかしこの世界は魔法が簡単に使うことができてしまうがゆえに科学が発達しなかった。
地球での科学は西欧の錬金術師から始まったが、この世界にはその錬金時術すらつかえてしまうことがある。
この世界に科学が埋まれば魔法科学という素晴らしいものが完成する。皇国の使う広域レーザーがそのいい例だ。

「総員乗車! 急げ!」

輸送車を使い機動力を重視したこの行動。
完全に交戦などとは考えいない。

「偵察兵より報告!的に動きアリと」

いざ行かんとするときに報告。完全に出鼻をくじかれた。

「重装歩兵から行くぞ。引き続き連絡を」

「それが…連絡がつながらず…」

「…はぁ…」

意図せぬところで精神的な攻撃が加えられてしまった。

-飛龍騎士団-

「行くぞ」

この世界初の龍騎士。ワイバーンを馬のように手なずけ、空をかけるその姿は人々を魅了する。
が、ドラゴンに似ているからと言って忘れてはならない。ワイバーンも生物。
死ぬこともある。ドラゴンが一体瞬殺されるのならば、ワイバーンなど複数体同時に一瞬で葬り去ることも可能ということを。

「敵は空を飛ぶことがある! 上方の警戒を怠るな!」

いくらワイバーンが強くても、上から騎士の方がやられては意味がない。
龍騎士はそのどちらが欠けても運用ができない、意外と脆い部隊なのだ。

「地上軍が動きました。敵が現れたようですね」

「速度を落とせ。地上軍との距離を維持しろ」

部隊がかなり散開していて声が届かないため、ハンドサインも使い指示を伝える。

「視界ない異常なし。
はぁ…初陣がこんなものだとはな…
何だって俺たちがこんな仕事を引き受けねばならないのか…」

「団長、間もなく第二砦上空です」

部隊はもう倒壊した第二砦を視界に収めていた。

「敵は?」

「いません」

地上軍も歩みを止めない。
何かがおかしい。なぜ攻めてこない?
そう思った瞬間、何か無数の物体がが上空から落ちていくのがわかった。

何だこれは?

目がその物体につられて下を見る。

「弾ちゃーく、今!」

上空からそんな声が聞こえた。
そして下を向く目は、驚くべき光景をとらえた。


「死んだら神になりました」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く