死んだら神になりました

叉龍

閑話-NW2 3

「作戦はどうなっている」

「はっ、現在、第三砦と第四砦の間に第一砦と派遣部隊以外の部隊が集結、今晩には全部隊が集結します」

「敵の位置は」

「敵に動きはありません」

「集結を急がせろ」

「はっ」

ほんとうならば集結はより前線近くで行い即座に戦闘に移したかった。しかし第一砦から第三砦の間には死の荒野と呼ばれる危険地帯がありそこに集結することは困難であった。

「報告します! 荒野前方の森に潜んでいた工作員が接敵! 上空より法撃にさらされ壊滅! さらに上空より鉄の塊と複数の人間が現れ攻撃を受けているとのことです!」

「上空からだと!? ほかの敵はどこへ行ったのだ!」

「工作兵からの通信が途絶! 全滅です!」

相次ぐ凶報につい先ほどまで静かだった会議室が騒がしくなっていた。
そしてさらに飛び込んでくる凶報によっていっそうざわめきが強くなる。

「第一砦より入電! 上空より奇襲をかけられ壊滅! 人的被害は極小! 現在指揮系統の回復を図っています」 

「第二砦も同じく奇襲を受けました! 当直の一個小隊が壊滅! 指揮系統の回復を図っています!」

「第三砦にも奇襲です! 三個小隊ほどが壊滅! 砦も倒壊しました!」

砦が奇襲を受け、砦に残された数個小隊が壊滅した。
幸いにも、主力は第三砦より後ろにいるため被害は数個小隊で済んだ。
もし砦にとどめて防衛作戦を行っていたら、被害はもっと大きいものとなったであろう。

「偵察兵は何をしている! すぐに敵の所在を割り出せ! 部隊の集結を急がせろ!」

会議室の中に皇帝の怒声が響く。
そして更なる凶報。

「報告します! 第一砦が陥落しました!」

若い兵士の持ってきたその報告に会議室は一気に静まり返るのであった。

-第一砦駐屯部隊-

「たった四個小隊だけだと? くそっ! 皇帝は何を考えている!」

誰もいない部屋で隊長格の男がつぶやいていた。

「敵の規模は一個増強騎士団。しかも奇襲攻撃と謎の攻撃を行うというのだぞ!
挙句、第五砦までこのような状態に! もし攻められたら一気に奪われるのだぞ!」

「失礼します! 友軍からの接敵情報です! 前方の森にて上空より奇襲を受け壊滅! およそ一個中隊の追撃を受けています!」

「何!? 例の部隊か! くそ! 偵察兵は何をしていた! 上は何を!」

そこまで言ったところで頭を切り替える。
前方の森で襲撃を受けたということはここにも近いということ。
すぐに迎撃態勢を取らなければ、と考える。
しかしもう遅かった。

「隊長! 空から何かが!」

当直に当たっていた一人の兵士が叫ぶ

「何だ!?」

【ドオォォン】

爆音とともに土煙が舞い上がる。
幸い、殆どが外れて、よくて至近弾だったので砦が倒壊するまでにはいかなかった。

「被害状況を報告しろ! 迎撃態勢をとれ! 魔法攻撃か? いや、情報によれば一個増強騎士団。この規模の攻撃は無理だろうし、何より魔法反応がなかった…なんなんだ…」

即座に部下に指示をだし、敵について思考を巡らせる。
この行動からすればかなり有能な方の指揮官だろう。

「被害状況を報告します! 死者は当直のため外に出ていた三人のみ! その他軽傷者が五、六人です」

「迎撃態勢を取らせろ! すぐに敵が攻めてくるぞ!」

「敵が空から降ってきます! …一個中隊ほどです!   突っ込んで来ます!」

「迎撃しろ!   魔法で、くそ!   この人数では!」

この一瞬の躊躇いが命取りとなった。
突然、扉の方から爆発音がした。

「扉が破られました!」

それに続く若い兵士からの報告
隊長格の男はこの時は迷わなかった。

「総員撤退!   現刻を持ってこの砦を放棄する!   命令だ!   このことを他の砦、部隊に知らせろ!」

「隊長は!?」


「言っただろう?   命令だ!   走れ!」

こうして、意図も簡単に第一砦が破られ、
必死になって兵士達が走りたどり着いた第二砦は、二度の爆撃により無残な姿になっていた。


閑話って短くなりがちですね。
今回も読んでくださりありがとうございます。
もうちょい閑話続きます。
本編はもう少し待っててください。
このままだとファンタジーが戦争になってしまう…もうなってるか…

それでは次回も楽しみに

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